首長竜の専門家で、あのフタバスズキリュウの学名の名付け親。そんな古生物学者・佐藤さんの日常は
そもそも、フタバスズキリュウとは何か? 福島県で見つかった、白亜紀後期の首長竜です。1968年に当時高校2年生だった鈴木直少年によって化石が発見され、一大ブームになります。ところが詳細な研究はされないまま時がすぎ、後年、そろそろ「記載論文」にまとめようかという中で、私にも声がかかりました。それから1年がかりで記載を進めるうち、新属新種であることが判明。2006年、「フタバサウルス・スズキイ」と学名を付けました。もともと「フタバスズキリュウ」は個体の愛称。でも学名がついた後も、この種の和名として使われています。つまり「ホモ・サピエンス」と「ヒト」の関係と同じ。ですから、「『ドラえもん のび太の恐竜』に出てくるピー助がフタバスズキリュウだ」という表現も決して間違いではありません。でも、「恐竜だ」と言ったら間違いなんです。
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2024年8月15日・22日号