河部さんは、デジタル技術を駆使して行う、恐竜の「脳」研究の第一人者。ティラノでも新種恐竜でも、ひとたび頭骨をX線CTスキャナにかければ――果たして何がわかるのか?
意外に感じる人も多いかもしれませんが、病院にあるようなX線CTスキャナは、恐竜などの化石の内部構造を観察するためにもよく利用されています。
恐竜をはじめとした絶滅脊椎動物において、脳や神経などの軟組織は化石として保存されることはほとんどないため、当然、恐竜の脳を直接観察することはできません。しかし、恐竜の頭骨内部にある脳や神経、内耳などが収まっていた空洞の容積を計測したり、型取りをしたりすることで、これらの器官に関する情報を得られる場合があります。
そのために、以前は、大型の岩石カッターなどを用いて恐竜の頭骨を真っ二つに切断するなどして、空洞構造を直接観察したり、さらに空洞構造の型を作製することがよくありました。
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source : 週刊文春 2024年8月15日・22日号
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