今年2月、京大などの研究グループが発表した機能性表示食品を巡る論文。そこから見えてきたのは、科学的根拠に疑問符がつく様々なサプリの存在だった。更にその裏には、査読の甘さが取り沙汰される疑惑の専門誌まで――。
▶論文著者が指摘「試験結果の“良いとこ取り”が」
▶小林製薬「認知機能サプリ」にもリスクあり
▶キユーピー、DHC、東洋新薬…販売企業を連続直撃
▶疑惑の専門誌は査読わずか1カ月、採択率73%の異例
▶「費用と時間が」トクホより機能性表示食品が相次ぐ訳
黄色、緑、ピンク、オレンジ、水色。年によって異なったカラーの表紙をめくると、専門用語がびっしりと並んでいる。
英語と日本語が入り混じった表記、化学的な成分の名称、数字、図表、記号、無機質なアルファベット……。それらが羅列された論文やコラムが、100ページ以上にわたって続く。中でも目立つのは、薬品や食品の効果に関連した臨床試験の論文だ。
一般の読者を寄せ付けない専門的な誌面はしかし、私たちの日常と決して無関係ではない。実は、小林製薬(大阪市中央区)の「紅麹」成分入りサプリメント事件にも通じ得る重大な問題が潜んでいるのだ。
日本の健康食品への信頼は今、大きく揺らいでいる。果たして、店頭に並ぶサプリや飲料は安全なのか。本当に効果があるのか。
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source : 週刊文春 2024年9月12日号