死刑判決が下っても木嶋佳苗は止まらない。メディアの下心と、膨大な量の手紙で塀の外の人間をコントロールする木嶋の虚栄心とが出会うとき、悲劇は何度でも起こる。
「佳苗は数学とかはまったく出来なかったし、特に高校に入ってからは、勉強を投げていた。援交に夢中だったから。でも、作文だけは小さな時から得意だった」(別海町の同級生)
「佳苗が文章を書くのは父親の影響です。本を読ませて、テレビは観させなかった。書棚に本を詰めて蔵書印を押していた。長女の佳苗は一番大きく父親の影響を受けた。下のきょうだいとは、そこがまったく違う。家庭環境と佳苗本人の感受性が影響したんだと思います」(一家を知る別海町の住人)
父親は大人びた本を小学生の木嶋佳苗に読ませて感想を言わせ、日記を書くことを義務づけた。さらに日記は父が添削した。木嶋が書く作文や読書感想文にも、父が意見を言った。木嶋に“文章力”を授けたのは父であり、そして、それは結果として犯罪に使われた。
木嶋はインターネットのマッチングサイトに虚偽の魅力的な自己紹介文を書き、それに釣られた男性たちに言葉巧みなメールを送りつけ、金を巻き上げ、あげくは命まで奪っていった。
ある程度の“文章力”とインターネットというツールがなければ、彼女が殺人者になることもなかったろう。
木嶋の犯罪の原点を探っていくと、どうしても父に行き着く。その父は2005年8月に亡くなっている。
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source : 週刊文春 2024年9月26日号