膨大な手紙、手記、小説……自分の書くものが注目を集めることを知った木嶋の暴走が始まった。裁判への興味すら失い、注目されたい――異形の欲望だけが増幅していく。

「手紙を送ってから1年半後、突然、返事が来たんです。東京拘置所の住所でした。驚きました。なんで今頃、返事がくるんだろうって。すぐに返信して文通のようになった。『今、小説を書いていて、光文社の編集者とやりとりしている、いずれ発表する予定だ』と手紙で教えられました。その後、拘置所まで彼女に会いに行きました」(文藝春秋社員の片岡侑子)

 一審で死刑判決が出された2012年4月13日、木嶋佳苗の手記が朝日新聞デジタルに載った。

 片岡はそれを読み、さいたま拘置支所にいる木嶋に「一度お目にかかれないか」と手紙を書いた。

「文章に魅かれたわけではありません。彼女に何かを発信したいという強い意志を感じたからです」

 だが、返事はなかった。それなのに翌2013年11月、突然、木嶋から手紙がきたのだ。

初回登録は初月300円で
この続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます

  • 月額プラン

    1カ月更新

    2,200円/月

    初回登録は初月300円

  • 年額プラン

    22,000円一括払い・1年更新

    1,833円/月

週刊文春 電子版 PREMIUMMEMBERSHIP 第1期募集中 詳しくはこちら

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

有料会員になると…

スクープを毎日配信!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る
  • 5

  • 25

  • 0

source : 週刊文春 2024年9月19日号