「“ボロ家ハラスメント”に端を発する一連の報道で、会長には社内外の関係者から厳しい視線が集まりました。会社を立て直し、変えるためにも、会長は厳しい処遇を受けるものだと思っていた。ところが……」

 

 こう明かすのは、猫用の食品「CIAOちゅ~る」で知られる缶詰製造大手「いなば食品」の現役社員のX氏だ。

いなば食品(同社HPより)

  いなば食品に一般職で入社するはずだった新入社員の9割が内定を辞退していたこと、その背景に古い一軒家の社宅に集団で住まわせる“ボロ家ハラスメント”があることを「週刊文春」が報じたのは今年4月のこと。記事は反響を呼び、いなば食品のホームページが一時繋がりにくくなる事態にまで発展した。

 それをきっかけに、編集部には同社の関係者から情報提供が殺到。以降、実に12回(電子版オリジナル記事を含む)にわたり、「週刊文春」はいなば食品の“衝撃的な企業体質”を報じてきた(主な記事はこちら)。

「週刊文春」が報じた、いなばの“ボロ社宅”

 数多の問題が噴出し続ける背景にあるのが、同社の稲葉敦央社長とその妻で“女帝”と恐れられている稲葉優子会長の存在だ。

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source : 週刊文春 電子版オリジナル