新入社員の大量入社拒否を引き起こした“ボロ家ハラスメント”に始まり、食品衛生法違反、社長と会長によるハラスメント、ペットに対するネグレクトと、「週刊文春」が相次いで報じた缶詰製造大手・いなば食品の問題。巨大オーナー企業で一体何が起きていたのか。社員の悲痛な告発を報じた特集記事で振り返ります。
本社のある静岡県内で勤務する予定の一般職の女性たちが相次いで入社を辞退し、入社予定だった19人のうち9割が“辞退者”となる異常事態となっている。
今回、編集部に寄せられたのは、“ボロ家”内部を写し出した複数の映像と写真。そこに収められていたものとは……。
「今回のいなばのプレスリリースを読んでさらに不信感が増しました。まるで私たちがウソをついているかのよう。会社には真実をきちんと語って頂きたいです」
こう語るのは今春に缶詰製造大手のいなば食品への入社を辞退した元内定者の女性Aさんである。
世界の猫を喜ばす。高邁な精神と裏腹に、新入社員にボロ家をあてがったことで批判を浴びたいなば食品。歪んだ企業体質は、社長夫人の横暴によって培われたものだった。そしていま、法令違反の疑惑までもが浮かび上がり…
缶詰製造大手・いなば食品で、静岡県での勤務を予定していた一般職の新入社員9割が入社拒否をしていた問題。4月11日発売の「週刊文春」がこの件を報じると、現役社員などから編集部への情報提供が殺到。社長夫人である稲葉優子会長(54)を頂点とした奇怪ともいえる企業体質が明らかになった。
今回、「週刊文春」編集部は優子会長の肉声データを入手。食事中、体調不良を訴えた社員を前にして、優子会長は嬉々として口を開く――。
「猫ネグレクト」「ボロ家ハラスメント」いなば食品・稲葉敦央社長の「怪メール」を一挙公開!「川勝知事は大統領にふさわしい」勤務中に二階派元議員への投票依頼電話も
第1弾の報道以来、「週刊文春」にはいなば食品の現役社員、元社員、関係者から様々な情報が寄せられている。なかでも群を抜いて多いのが、敦央社長が社内に宛てて送る異様なメールのリークである。その一端を紹介しよう。
缶詰製造大手・いなば食品をめぐる一連の問題。「週刊文春」編集部には、静岡県に勤務する予定だった一般職の新入社員9割が“入社拒否”をしていた事態を報じて以降、社内外の関係者から情報提供が相次いでいます。
そんな中、直近の報道では“女帝”稲葉優子会長の独裁ぶりだけでなく、その夫である敦央社長の素顔も明らかに。異様ともいえる社内体質が招いた“猫ネグレクト”、そして“怪メール”の驚くべき実態とは――。取材を続ける柏木記者が解説します。
【解説番組】いなば食品 テレビが報じない異常体質“容姿&学歴差別”稲葉優子会長は直撃に「痴漢です!」
「週刊文春」が報じてきた缶詰製造大手・いなば食品に関する問題。女帝・稲葉優子会長(54)を頂点とする異様とも言える社内体質が明らかとなる中、いなば食品側は各テレビ局の報道・情報番組にCMを展開し、疑惑を追及するメディアはわずかという状況になっています。
今週号で報じた“容姿&学歴差別トランプ”問題をめぐり、取材班の柏木記者は優子会長を直撃取材。ところが、そこで“あるハプニング”に見舞われたといいます。いったい何が起きたのか――。
「うちの会社には、変なルールがあって、アップルウォッチを使ってはいけないんです。社長自ら全社員にメールを送って、『使用禁止』を通達した。その理由は、妻である会長のためだったそうです」
こう語るのは、いなば食品の現役社員のA氏である。
「週刊文春」が報じてきた缶詰製造大手・いなば食品に関する問題。女帝・いなば食品を頂点とする異様な社内体質に、現役社員からは悲痛な声が相次いでいます。
テレビのワイドショーでは報じられない反面、SNSでは大きな注目を集めている今回の騒動。いなば食品の経営側は世間からの反応をどう受け止めているのか――。取材を続ける柏木記者が解説します。
「ボロ家ハラスメント」いなば食品に労基署が入った!
「一時でも入社を考えていた自分が情けなくなります」
缶詰製造大手・いなば食品にこの春入社予定だった女性が嘆く。今週もいなばに嵐が吹き荒れる。
「マイナビに聞いた」いなば食品社長が転職希望者に恫喝メール
汲めど尽きぬ泉のように、次々と問題が湧いてくるのは、缶詰製造大手のいなば食品である。
「転職希望者に対するハラスメントがあります」
現役社員A氏はそう語るのだった。
【解説番組】いなば食品 稲葉敦央社長(70)が「マイナビから聞いた」転職希望者に恫喝メール…名指しされたマイナビ側の回答は?《取材記者が解説》
「週刊文春」が報じてきた缶詰製造大手・いなば食品に関する問題。今週号では「「マイナビに聞いた」いなば食品社長が転職希望者に恫喝メール」と題して、稲葉敦央社長(70)から全社員に送られた恫喝メールの内容を報じています。
退職希望者の氏名について「マイナビ社より内々に当社社員3名が登録していることが判明した」と述べていた敦央社長。名指しされた当のマイナビは、「週刊文春」の質問状に何を答えたのか――。取材を続ける柏木記者が解説します。
【記者日記】文春記者と「いなば食品」の“2カ月戦争”《入社辞退者を説得、情報提供が殺到、会長に「痴漢!」と叫ばれ…》
4月3日の水曜日の夜、東京・神田にある食堂で、私はとある取材先と向き合っていました。
私たち編集部の記者は通常、木曜日の11時までに翌週号用のプラン(ネタ)を5本出せねばなりません。そのため、校了後の火曜日の夜や水曜日に取材先との会合をすることがあるのです。
その会合でレモンサワーを飲みながら色々な話題に花を咲かせたのですが、その取材先がこんなことを口にしました。
「CIAOちゅーるのいなば食品で新卒社員が大量に辞退したと聞きました。あの会社はいわゆるワンマン企業で色々と闇が深いんです」
《内定辞退者に追い打ち》いなば食品社長が京都大学に哀願手紙を送った
「いい加減な採用活動は一般職に限らない。今春、幹部候補の総合職として入社予定だった学生にもお粗末な対応をしていたのです」
いなば食品の現役社員A氏は何度でも憤る。
source : 週刊文春 電子版オリジナル