古本の街として知られる東京・神保町。ここが中国の知識人たちの“最前線”になっている。民主化や言論の自由を求める人々は、なぜこの街に集い、情報を発信するのか。当事者たちが語る中国への想いと日本への警告とは――。

「中国のことを取材しているなら、神保町のサロンを訪ねた方がいいですよ。あそこは中国人の“最前線”だから」

 中国当局による邦人拘束とビジネス上のリスク、中国軍機による史上初の領空侵犯と軍事的脅威、中国人の東大席巻と教育問題など、現在の日中間で起っている様々な課題を取り上げて来た連続キャンペーン。取材の中で幾度となく記者が耳にしたのは、「神保町」というキーワードだった。

 2020年9月から約3年間にわたって駐中国大使をつとめ、「中国が最も恐れる男」の異名をもつ(たるみ)秀夫氏もこの街に注目している1人だ。

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source : 週刊文春 2024年10月17日号