4月1日午後2時、毎日新聞がWEB上に一本のスクープを放った。〈新元号「令和」考案者は中西氏か〉。何度もはね返された分厚い“保秘”の壁。関係者の口を開かせたのはいつも「元号一筋」の男の名前だった。代替わり取材班キャップが綴る、7年半の取材秘話。
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「緊急事態に備えて取材するように」
2011年11月。当時の政治部長から指示があった。天皇陛下(現・上皇陛下)が気管支肺炎で入院された時期だ。翌年2月には心臓バイパス手術を行うと発表されることになる。
元号法は「元号は、皇位の継承があった場合に限り改める」と定める。陛下に万が一のことがあれば、「代替わり」となり、「平成」に代わる新元号に改まる。「万が一」について口にすることさえはばかられる中、事前の準備は公表できない。それでも政府内では極秘に検討を続けているはずだ。
しかし、政府側はもちろん、取材する側も大々的に体制を整える訳にはいかない。極秘の取材班は私一人だけだ。こうして、7年半にわたる新元号取材が始まったのだった。
まずは政府の歴代担当者と、考案を依頼されていると目される学者のリストを作った。本格的に取材に取りかかったのが12年1月。ただし退位が表面化する前の取材は、想定以上に壁が厚かった。
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source : 週刊文春 2019年5月23日号