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「現役」でも「元」でもない“まだ巨人ファン”のモノ雑誌編集長が綴る「2020年の楽しみ方」

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/07/22
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デジタル上では2020年も1980年も同時代的に見ている

 実はデジタル上では2020年も1980年も同時代的に見ているのだ。たしかに昔の映像はやや劣化していたり、映像の中のユニフォームが昔懐かしい仕様だったり、現在と比べて多少の違いはあるものの、同じストック内に全ての映像が並んでいれば、例えば今日のハイライト映像を見た数秒後に、1985年に槙原寛己が食らった屈辱のバックスクリーン3連発を見られるので、そこに時差ははない。

 だから、コロナ禍でプロ野球が実際にやってない時期でも、過去の巨人映像などは毎日のように見ていた。それどころかいつも以上に時間があったからこそ、現在や過去に在籍していた巨人選手たちのさらなるルーツ、例えば桑田真澄&清原和博のKKコンビが、水野雄仁が率いる池田高校越えを果たした試合にグッと心を掴まれたり、現在の4番、智弁学園時代の岡本和真のバックスクリーンへのホームランなどを見て、2019年にはこの同じ球場で3割30本100打点を実現したんだなと成長を感じながら、感慨に耽ったりしていた。

 つまり、“まだ巨人ファン”にとっては、巨人が見られるならそれでいいのだ。

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 それが現役かどうかは関係ない。だから、とりあえずコロナ禍ではあるものの、たとえ無観客でもプロ野球が始まったこと、巨人戦が始まったことにホッと胸をなで下ろしている。巨人という記録が途絶えることが一番怖いからだ。

 そういう意味で、巨人軍が永久に不滅である限り、“まだ巨人ファン”の自分は、おそらく80歳くらいのジジイになっても、そんな感じで巨人を見続けるだろう。とはいえ、いよいよ観客を入れての試合も始まりましたし、もちろん東京ドームで観戦できるようになったら、たまには球場にも行くけどね。

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