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「フォートナイトに何千円も?」子どもが欲しがる“実態のないデータ”……ゲーム課金の是非

2020/08/30
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洗練されたマーケティング手法にさらされる子供たち

 ゲーム会社は無課金プレイヤーを課金プレイヤーに変えるべく、マーケティング手法を洗練させてきた。

 ゲームをプレイすると、まずはゲーム内の店が開き、その日のセール品や期間限定のアイテムが表示される。大幅な割引率、 “今しか買えない”といった限定感を強調することで、財布のひもを緩めにかかる。

©️iStock.com

 ゲーム内の店が優れている点は取引条件の時間管理である。アイテムのセール期間は何時何分何秒単位で表示され、“今しか買えない”という気持ちを増幅させる。購入に至るまでの店の導線すべてが綿密に設計されている。

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 商品設計もマーケティングのたまものだ。スマートフォンゲームの多くに採用されている“ガチャ”の仕組みは、くじ引きのように抽選券を購入させ、ランダムな確率でキャラクターやアイテムといったデータを獲得させるものだ。

 抽選時には気分を高揚させる演出が用意されていて、貴重なアイテムが当たった際にはきらびやかな演出が展開される。

 “ガチャ”がプレイヤーを過度に消費に誘引しているとして、ヨーロッパの一部地域や北米ではギャンブルと同じ法律で規制すべきだという意見もあるほどである。

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 ゲーム企業のマーケティングにプレイヤーは常にさらされている。お金の価値について十分な知識を有していない子供がノーガードでこれらの情報を摂取しつづけているというリスクについて、あなたはどの程度理解しているだろうか。