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箱根駅伝のあまりに細かすぎる楽しみ方――ディープな箱根駅伝座談会 #1

「EKIDEN News」を知っているだろうか? 筋金入りの「駅伝好き」が集まり、日本中の陸上競技を観戦、そこで得たレース情報をTwitter(@EKIDEN_News)で発信しつづけている集団だ。インターネット陸上界(というものがあるなら)最重要人物といえる西本武司さん(@setagaya_1971)、駅伝マニアさん(@ekiden_mania)、ポールさん(@m_paul_paul)の3人が、箱根駅伝を観る楽しみをディープに語り合う。

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「ブラタモリ」ブームに乗じた駅伝本?

――皆さんは箱根駅伝好きが高じて、さまざまなレースの現場に行って、それをツイッターにアップするという活動をずっと続けてこられたそうですね。それが今年ついに『あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド! 2018』という本の監修まで行うことになったと。すごく売れてるんですよね?

EKIDEN News主宰の西本武司さん

西本 かつて昭文社から2年だけ『箱根駅伝まるごとガイド』という、箱根駅伝のルートを事細かく紹介した本が出てたんですよ。それが良本でして、ずっと大事にしてたんですが、最後に出てから10年たって、コース変更もあったりして僕たち3人はそのアップデート版を心待ちにしてたんです。でも、「地図だけ」というのは全く需要がなかったらしく、出版されなくなってしまった。だったら自分たちで作りたい!と。昨今の「ブラタモリ」ブームに乗じて、やるなら今だと「箱根駅伝のコースをブラブラ歩く地図本」を作りませんか?と出版社にもちかけたんです。とはいえ、本当に地図だけで本にするつもりだとは編集の方も思ってなくて(笑)。

ポール ちなみに、僕たちは毎年この時期になると各社より発売される箱根駅伝のガイドブックを、お布施のようにすべて買っているんですよ。昭文社の地図本のように消えてしまわぬよう、自分たちが買い支えることが大事だと。

“インターネット陸上界”で知らない人はいない駅伝マニアさん

西本 ただ、これまで気になっていたことが。ガイド本には大学や選手の戦力分析や、監督のインタビューとか、見どころみたいなことが書かれているわけです。いまや情報戦となった箱根駅伝。その手のインタビューで監督や選手が本当のことを話すわけないじゃないですか。たとえ、本当のことを話してくれたとしても、取材記者との信頼関係での発言であったりする場合が多いので、書きたいけど書けない。

マニア 日体大などで行われている長距離記録会などに出入りしていると、いろんな情報が耳に聞こえてきますから。今まで買ってきた雑誌を見ては「うーん、みんな本当のことは喋ってないな」と思ってました。

「僕らなんかに大事なこと話すわけないだろっ!」

長距離選手をトラックの中から見たい、という理由で投てき選手になったポールさん

西本 ですので、ガイド本に関しては我々ファンもそのあたりは暗黙の了解として読んでいたんです。今回も編集の方に当然のように言われました。「選手や監督のインタビュー行かないんですか?」と。僕らなんかにそんな大事なこと話すわけないだろっ!と。一喝しましたよ(笑)。我々はジャーナリストではなく、あくまでファンの視点を大事にしてますから、身の丈を超えるようなことをしちゃいかんのです。だから「今年は箱根駅伝どこが勝つのかな」と思っている方がこれを買うと、「なんだ、この本は! 何も書いてない!」ってことになりますので、店頭でペラペラめくっていただいてからご購入していただけるとありがたいです。

ポール あくまでも箱根駅伝が行われる1月2日、3日をおもいっきり楽しむための地図の本でいいんです。