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「ロバに荷物を乗せたら、どこまでも行ける」26歳で会社を辞めた男性が、歩いて5000kmを旅するまで

ロバと旅する太郎丸さんインタビュー #1

2023/03/05
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村と村をつなぐ田舎道を行く

――このときのロバとは、どれくらい旅を?

太郎丸 2カ月半くらいです。モロッコをだいたい1500km歩きました。

――どういったところを歩くのでしょうか?

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太郎丸 モロッコには、アトラス山脈という巨大な山脈があるんですよ。この山脈の景色に惹かれていたので、この奥深くまで行こうと思って、村と村をつなぐ田舎道を歩いて行きました。

――ロバと歩くときは、基本的には田舎道を歩く?

太郎丸 そうです。車が脇をバンバン走っているとロバは驚くし、自分もストレスが溜まるので、幹線道路ではない田舎道を歩くようにしています。

――そうすると自然と草もあって食べてくれる?

太郎丸 そうですね。

ロバとの旅路は田舎道が多い(太郎丸さん提供)

――ロバのご飯の時間は決まっているんですか?

太郎丸 大麦を与えるんですけど、それは朝と夜に500gくらいずつ。あと休憩するときは草を自由に食べさせています。

――1日1kg。けっこう食べますね。

太郎丸 ロバは粗食に強いって言われていて、そんなに与えなくても働いてくれるんですが、ちゃんと歩いて欲しいので、よく与えていました。

――何が好きですか?

太郎丸 なんでも食べますが、キャベツとかブロッコリーなど、アブラナ科のものは食べません。ただ用心深い性格なので、初めて食べるものは警戒しますね。ブドウとか好きなんですけど、初めてのときは食べなかったですね。ロバは牛みたいに戻せないので、用心深いんだと思います。

モロッコをともに旅したロバの「スーコ」が、初めてメロンを食べたときの動画。「なにこれ? おいしい!」って驚いたような顔をするのが人気だったそうだ(太郎丸さんのTwitterより)

――寝るときはどうするんですか?

太郎丸 寝る時は、ロープをロバの足にかけて、その片方を釘に結んで、それを地面に打ちつけています。

――どんな格好で寝ます?

太郎丸 伏せみたいな格好ですかね。ロバはおそらく3時間くらいしか寝てなくて。それも30分寝たらまた草を食べてと、小刻みに寝ていますね。よくあんな短時間の睡眠でたくさん歩けるなと思いますよ。