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“うたのおにいさん”就任直後に右耳が突発性難聴に 「子どもが何を言ってるかわからない」瞬間に坂田おさむ(70)が取った“優しい行動”

坂田おさむインタビュー#2

2023/07/22

genre : エンタメ, 芸能

note

──神様からの。

坂田 そう。贈りものというかね。だから、《うたのおにいさん》になったのを窮屈だと感じたことは一度もないし、選ばれたのは本当にありがたいと思いますよ。

小児がん病棟で「来年もこの子たちは生きているだろうか」

──そう思い始めたのは、いつ頃からですか。

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坂田 《うたのおにいさん》になってから、大きいステージで歌う機会もたくさんあったけど、たとえば病院の小児がん病棟に呼ばれて歌うこともあるんです。そうするとさ、一期一会なんだよ。

©榎本麻美/文藝春秋

──今年行ったときにいた子が、翌年にはいない……という場合もありますね。

坂田 そうです。だから、「今、この子たちと一緒に歌えるのは、本当に大事な時間、何にも代えられない時間をもらえたんだな」と思うようになって。

 横になったまま聴いている子もいるしね。僕が手を握っているこのぬくもりが、いつまで続くのか、誰にもわからない……と思うとね、これはおろそかにできない。「ちゃんと歌わなくちゃ、一緒に楽しい時間を過ごそう」という思いになりましたね。

 それにね、子どもって厳しいよ。

子どもの前では、全力でやるしかない

──観客が子どもだと、むしろ厳しい?

坂田 そう。子どもは、大人のように忖度しないから。たとえば、コンサートで歌手の声がかすれてたら、大人は「喉の調子が悪いのかな」「疲れてるのかも」とか、いろいろと気づかってくれるでしょう。

 でも、子どもはそういうのが一切ない。だから、「今、歌っている」というその時間が、すごく大事。ちゃんと歌ってないと、子どもはつまらなくなって、すぐどこかに行っちゃうんですよ。

©榎本麻美/文藝春秋

──そうですね。子どもは集中できる時間も短いですし。

坂田 だから、こっちは本気で、全力でやるしかないのよ。そうすると、子どもたちの反応も違ってくる。おさむおにいさんは、子どもから教わってばかりです。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

“うたのおにいさん”就任直後に右耳が突発性難聴に 「子どもが何を言ってるかわからない」瞬間に坂田おさむ(70)が取った“優しい行動”

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