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終戦、78年目の夏

折り重なった死体を兵隊がトラックに…「地獄絵図でした」“100歳の元従軍看護婦”と「2週間以上続いた腐臭」

折り重なった死体を兵隊がトラックに…「地獄絵図でした」“100歳の元従軍看護婦”と「2週間以上続いた腐臭」

100歳の元「従軍看護婦」と“あの頃の日常”#2

2023/08/15

genre : ニュース, 社会

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兵隊たちの「語られなかった言葉」

――あの頃について、なにか思うところはありますか?

土屋 今となってはかなわぬ望みでしょうが、当時の兵隊さんにはお会いしたいですね。みんなシラミだらけでやせ細って帰って来て、もっと親切にしてあげればよかったと思います。

空襲直後の渋谷・道玄坂周辺

 兵隊さんも箝口令でも敷かれていたのか、戦地でのことは話しませんでしたね。あまり戦地の厳しい状況を話してしまうと、内地の人たちの士気をくじくことにもなりますからね。

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 ただ、兵隊さんの目を見て、「つらい思いをしてきたんだな」と想像するばかりでした。自分が帰って来ても、まだ戦友たちは戦地で戦っているわけですから、ほっとしたような顔をしている人は一人もいませんでしたよ。戦友というのは結びつきがすごく強いものなんですよ。

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※この記事はインタビューと合わせ、土屋さんの自著「過ぎた歳月」の記述を加えて構成しています

折り重なった死体を兵隊がトラックに…「地獄絵図でした」“100歳の元従軍看護婦”と「2週間以上続いた腐臭」

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