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「なんで子どもが欲しくなかったの?」上島竜兵さんを失った妻が抱く「本音をぶつけるべきだった」という後悔

source : 提携メディア

genre : ライフ, 芸能, 社会

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「子どもを作らないと言ったのは、竜ちゃんだよね?」と、問い詰めましたが、竜ちゃんの「子どもを作らない」という方針は、このときも変わりませんでした。

竜ちゃんが頑なに子どもを持ちたがらなかった理由とは、何だったのでしょうか。その理由について、竜ちゃんと真剣に話し合ったことはありません。

毎日忙しくてなかなか機会がなかったのもありますが、夫婦の重要な課題は、本当はお互いのホンネをぶつけ合って、理解しておくべきだったと思います。

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でも、竜ちゃんの仕事が順調で機嫌よく生活できたら、もうそれ以上のことを欲しがるのは、違うのではないかと思い、何でもかんでも手に入れることを望むことは止めようと自分に言い聞かせていました。

人一倍傷つきやすくて繊細な人だった

今回、本を書くにあたって改めて、子どもを作らないと言っていた理由を竜ちゃんの親友に尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。

「竜ちゃんは不安症だったのかもしれない。『俺、大丈夫かな。面白いのかな? これから仕事はあるのかな?』と、しょっちゅう疑問を投げかけていたね。根本は真面目なので、ずっと不安を抱えていて、それで子どもを欲しがらなかったんだと思う。竜ちゃんは飲んだら将来への不安を語り、最後はいつも泣いていたから」

確かに、竜ちゃんは私の前でも、不安を語っては泣いていました。

人一倍傷つきやすく、繊細な人でしたので、私は日頃話す言葉にも気を付けて、ネガティブな言葉は口にしないようにしていましたが、仕事で縁起の悪い言葉を投げかけられたことも多々あったようで、酷く疲れたように帰宅した顔を思い出すと胸が締め付けられます。

竜ちゃんが四六時中、抱えていた漠然とした不安が、「子どもを作らない」という発言に繫がっていったのかもしれません。

おりると思った生命保険が…把握していなかった新規契約

また、相続の問題だけでなく、専門知識が足りずに苦心したのは、「生命保険」も同じでした。保険に入る際、保険会社の人から説明を受けて署名はしたものの、約款を読むどころか、どんな内容の保険に入っているのか、きちんと把握していませんでした。