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「なんで子どもが欲しくなかったの?」上島竜兵さんを失った妻が抱く「本音をぶつけるべきだった」という後悔

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genre : ライフ, 芸能, 社会

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パートナーが突然亡くなった後、遺族はなにを思うのか。2022年5月に亡くなったお笑い芸人・上島竜兵さんの妻・光さんは「夫は頑なに子どもを持ちたがらなかったが、私はその理由を知らない。夫婦の重要な課題は、互いに本音をぶつけあって理解しておくべきだった」という――。

※本稿は、上島光『竜ちゃんのばかやろう』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

写真=Kodansha/アフロ お笑いトリオ「ダチョウ俱楽部」上島竜兵 撮影日:2021年8月18日=『FRIDAY』2021年9月10日号 - 写真=Kodansha/アフロ

夫婦揃って手続全般が苦手だった

結婚して28年間、我が家は、ふたりとも、手続き関係は苦手でした。

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仕方ないので、どちらかと言えば、まだましな私の方が、手続き全般を一手に引き受けていました。

竜ちゃんがやることといえば、例えば書類関係なら、ほぼ、本人が書かなくてはならない署名のところだけでした。でも、飲み歩いてまともに帰らないことが日常的に続いていたので、署名をもらうのも簡単ではありません。

経験を積むうちに、そんなときは、数日前から署名をして欲しいと予告しておくことにしたのです。

起き抜けに書いてもらうのですが、「朝からごめんねー、すぐ終わるからね」とご機嫌を損ねないように気を遣っていました。

ご機嫌を損ねたら仕事にも差し障るので、「はいよー」と機嫌よくサインがもらえたときには、心底ホッとしたものです。

竜ちゃんが旅立ったあとも、煩雑な手続きが次から次へと襲ってきました。

それは、体力的にも精神的にも追い詰められた私にとって、逃げ出したいほどの大きな負担となりました。

葬儀会社からもらった手順一式をいつも持ち歩いていた

手続きには、葬儀会社さんから頂いた、葬儀前後のあれこれが書いてある厚みのあるファイルがとても役に立ちました。どこの葬儀会社でもこういったものがあるのかはわかりませんが、葬儀の手順から葬儀後の手続きまでがわかりやすく書かれていて、いつも持ち歩いて何度も読み返しました。

そのファイルによると、葬儀後はまずは「役所の手続き」ということでした。

区役所に行き、世帯主である配偶者が亡くなった旨などを伝え、窓口の人の言うとおりに行った手続きは、30分ほどで終わりました。