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成人雑誌を燃やされ、自慰を禁じられても、母が大好きだった…元C-C-B関口誠人が語る「宗教2世」の苦しみ

source : 提携メディア

genre : ライフ, 社会, 芸能

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中学卒業後のアルバイトで「世間の価値観」を知った

排斥から20歳で母親を亡くすまでの3年間、関口さんは、宗教とは違う世界で過ごした。結果的にそれがエホバの証人の世界観と決別することにつながった。

「アルバイトを始めたんです。中学を卒業して、別に高校には行かなくていいと親に言われて、進学を諦めたんです。家も財政的に苦しくなってきたんで、親にも頼れなくなってきて。喫茶店のウエーターやビルの清掃をやりました。それで世間の人たちとの付き合いがだんだん深くなっていたんです。それまでは付き合っちゃいけませんと言われている人たちです。すると世間一般の考え方と、教団の中の考え方とのギャップのすごさにだんだんあぜんとしてきて、いわゆる今まで常識と思っていたことが、世間一般の大多数の人からすると、とても非常識なことだったんだってことに、気がつくわけです」

宗教とは、本来、世俗とは相いれないものである。それが行き着くところまでいくとオウム真理教のようになる。宗教は人を救うし、人を殺す。それを認識しておかなければ僕らは道を間違う。

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宗教からの脱却がなければC-C-B結成はなかった

関口さんにとって、宗教とは違う価値観や世界観との出会いが、結果として、C-C-Bとの出会いももたらしてくれた。

「もし信者のままだったら、芸能界にも入れなかったと思いますね。教団の中で一般の世界のことを『世俗』と言うんですけれども、その最たるものが芸能界という位置づけでした。テレビを見ることも許されなかったので、『ドリフ』とか僕全然知らないんですよ。それで仲間外れにされたりもしました」

「あるレコード会社の社員の人が、僕がアルバイトしている原宿のカフェバー『ゼスト』によく来ていたんですよ。名刺もらったんで、これはチャンスだと思って。『僕も音楽をやっているんですよ』っていう話をしたら、彼が『アルバムを出すことは決定しているんだけど、メンバーをあちこちからチョイスしているというプロジェクトが進行している。興味があるんだったらちょっと会ってみないか』と言われて会ったのが、ベースを弾いていた渡辺(英樹)くんでした。その次にドラムの笠(浩二)くんと会って、最初3人でココナッツボーイズ(C-C-B)というグループを作ったんです。それが21か22歳くらいの頃ですね。渡辺くんも笠くんも亡くなっちゃいましたけど」