統一教会(現・世界平和統一家庭連合)をめぐり、文部科学省は10月13日、教団に対する解散命令を東京地方裁判所に請求したと発表した。
「法人への死刑宣告」といわれる解散命令。その請求に至るまでの数か月間、教団と政府の内側では何が起きていたのか。「週刊文春」の記事を再公開する(初出:週刊文春2023年9月21日号/年齢・肩書きは当時のまま)。
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9月上旬、東京・霞が関。その建物の自動ドアには赤い文字で「閉鎖中」と記された紙が貼られていた。忙しなく登庁した職員が足止めされ、しぶしぶ遠回りする。1932年建設の登録有形文化財「旧文部省庁舎」の朝の光景だ。
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旧文部省庁舎の出入り口が封鎖されたワケ
「旧文部省庁舎は今でも文化庁の施設として使われています。ただ、職員がいつも通っていた出入り口は、9月5日から当面の間、終日閉鎖されることになりました」(文化庁関係者)
小誌は、文化庁を所管する文科省の会計課が4日、省内職員に送った“厳戒メール”を入手した。文面にはこんな不穏な言葉が躍る。
〈庁舎管理の徹底の観点から下記のとおり警備を強化することとしました〉
だが、警備強化の詳しい理由は記されていない。社会部デスクが解説する。
「明らかに統一教会(現・世界平和統一家庭連合)対策です。契機は、3日に『政府が統一教会の解散命令を請求する方針を固めた』と報じられたこと。解散命令請求に向けて教団を調査しているのは文化庁宗務課です。教団側からの意趣返しを危惧しての対応でしょう」
中でも厳重な警戒で守られている人物は…
その対象はメディアにも。
「記者が取材で職員を庁舎内で待ち構えることがあるのですが、それも省側から『やめてくれ』と」(同前)
中でも厳重な警戒で守られているのが、
「事務方トップの合田哲雄次長です。警察が出退勤時に警護し、自宅周辺も見回りをしているとか」(同前)