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麻薬戦争が起こるメキシコでもなく、ルーマニアのマンホールタウンでもなく…丸山ゴンザレス(46)が考える“本当に怖い国”

2023/11/25
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 あと、どこの国を見ても思うのが、危険人物、団体と言われる人たちのルールも変わってきていますね。戦場は分からないけど、たとえばメキシコの抗争では昔は教会に行く日は狙わない、その日は血を流さないっていう暗黙の了解があったけどそれを崩してくるやつが出てきたんです。だいたい10代後半~20代前半くらいの若い連中が今までのルールを崩してきて、そこにはジェネレーションギャップも感じますが、手法もコミュニティの在り方も日々変化はしていますね。

クスリのヤバさが継承されていない

――ここ数年、とくに詐欺師や薬のニュースも増えた気がします。

丸山 詐欺はめちゃくちゃ流行ってる印象はありますね。詐欺って1回手を染めちゃうと終わりだなって思います。詐欺師って信用されないんですよね。詐欺やってたやつと話をして、心のどこかでこいつサギるんじゃないかって思っちゃうじゃないですか。詐欺、稼げますけど詐欺やっちゃったら重いですよね。

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 クスリもそうです。たとえば覚醒剤も今の若い子達に怖さが継承されてないと思います。マリファナも海外のアーティストとか普通にやってるもんだから特に悪いことではないと捉えてしまったり。体に良い悪いは僕専門家じゃないから言うことではないんですけど、今の日本で違法なもので捕まったら社会的な制裁とか信用を失うこと、それを使ったり販売したことへのリスクは薄く捉えているような感じはします。僕、そういう分野をすごく取材しているからクスリが好きな人に思われがちですけど、僕はあくまで誰が儲けているか追いかけてる人。“麻薬ビジネス”の取材をしているだけです。そこに突っかかって来る人が多いんですけど、もっとビジネスとしてみたときに、売る側はどうでもいいですけれど、ユーザー側のクスリのさまざまなリスクが世代間で継承されてないのはすごく感じましたね。

©佐藤亘/文藝春秋

 事業承継とか、社会問題になっていますけど裏社会やそこの周辺関係者にとっても同じことが言えるんじゃないでしょうか。まあ、僕としては自分がやっていることを誰かに受け継いでもらう気もないし、そんな環境にもないのですけどね。これからも、自分の好奇心の赴くままに動いていきたいです。身勝手でズルいと言われても関係ないですよ!

INFORMATION

丸山ゴンザレスが、ヤクザ、半グレ、芸能の怖い話、反社会的勢力などについて解説する「丸山ゴンザレスの裏社会ジャーニー」はこちらからご覧いただけます。
https://www.youtube.com/@urasyakaijourney

麻薬戦争が起こるメキシコでもなく、ルーマニアのマンホールタウンでもなく…丸山ゴンザレス(46)が考える“本当に怖い国”

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