2023年上半期(1月~6月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。女性芸能人部門の第3位は、こちら!(初公開日 2023年6月17日)。

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 夏期、期待のドラマの1本、『この素晴らしき世界』は、「普段はスーパーでパートをしている主婦がじつは大物女優」という主人公・浜岡妙子を若村麻由美が演じるコメディー。その妙子の所属プロダクション社長・比嘉莉湖を演じるのが、ベテラン女優・木村佳乃だ。

©時事通信社

 木村は1976年4月10日生まれの英国・ロンドンのキングストン地区出身。帰国後は東京世田谷の成城で育った。中学時代の3年間は父親の仕事の都合でニューヨークで過ごしたという、筋金入りの帰国子女だ。成城学園高等学校を経て成城大学文芸学部英文学科を中退。高校在学中から読者モデルとしての活動を始めた。

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「私はデビューが他の人より遅いから…」

 ‘96年にNHKドラマ『元気をあげる~救命救急医物語』の主人公役でTVドラマデビュー。翌’97年に役所広司・黒木瞳主演の映画『失楽園』で銀幕デビューを果たし、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞する。さらに、翌’98年には歌手デビューも果たし、その芸達者ぶりも示した。

 当時、本人は「私はデビューが19歳で、他の方より遅いから人一倍がんばらないと……」と言っていたが、女優として順調なスタートを切ったのは確かだ。

 続いて「週刊少年マガジン」(講談社)連載の人気コミック『将太の寿司』(原作・寺沢大介)に出演。柏原崇演じる主人公、関口将太の働く鳳寿司の娘・鳳さゆり役を演じた。このさゆりは原作にないキャラクターで、記者会見時、木村さんは「原作にない役なので、果たしてドラマになじめるか心配です」と語っていたが、第1話から見事になじんでいた。このころから印象に残る女優だったと思う。

1999年撮影 ©時事通信社

 その後、フジテレビ系の人気シリーズ『世にも奇妙な物語』(’90年~)にもゲスト出演(’96、’02、’05年に出演)。同じくフジの金曜2時間ドラマ枠「金曜エンタテイメント」の『スチュワーデス刑事』で3人の主人公のひとり、佐藤瑠璃役を演じた。