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キャンプブームは本当に終わった? スノーピーク「純利益99.9%減」…キャンパーたちの“本音”

2024/02/29

genre : ライフ, 社会

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「9割減というのはやっぱり驚きました。私の中で『スノピ』のギアって“お高いけど永久保証でモノがしっかりしている”という印象で、やっぱり持ってると『おお!』ってテンションが上がるものだったんで。本当にキャンプブームが終わったかはわかりませんが、言われてみれば冬でも全然予約がとれなかったキャンプ場が、直前でもあっさり予約がとれるようになったのは確かです」

キャンプ場に張られるテントに変化

 筆者自身もキャンプ好きの一人として〈99.9%減〉という数字には衝撃を受けた。

 思い返してみるとコロナ禍が始まる前、キャンプ場で見かけるテントといえば、「リーズナブルなコールマン」と「ちょっとセレブなスノーピーク」という入門編として定評のある二大ブランドでほぼ占められていた。

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 それがコロナ禍で「3密を避けられるレジャー」としてキャンプが本格的にブームとなって以降は、キャンプ場でもかつての二大勢力を見かけることは少なくなり、それに変わって北欧製や海外輸入品らしき一点モノなど個性的な高級テントをよく見かけるようになった。

 筆者も経験があるがキャンプビギナーにとって、キャンプ場は「次に買いたいテント」の見本市でもある。キャンプを重ねているうちに、他人と同じテントでは飽き足らなくなってくるものだ。

他人と被らないテントを求めて

キャンプ場イメージ(タカさんのブログ「CAMP KING」より)

「それは“あるある”ですね」と笑うのは、キャンプ好きが高じて、自ら土地を買ってプライベートキャンプ場を作ってしまった札幌在住のキャンプブロガー「タカ」さんだ。

「私もスノピの『アメニティドーム』を長年愛用していたんですけど、キャンプ場で余りに被りまくるので、他人と被らないテントを求めて、いつしかスノピから離れてしまいました」

「アメニティドーム」とはスノーピークの代名詞というべきベストセラーのツールームテントである。その魅力をタカさんはこう語る。

「まず高額なスノピ製品の中では良心的な価格(3~4名用で5万円台)です。前室が広いので、タープを別に用意しなくて済むし、室内空間は快適そのもの。1人でも20分で建てられる手軽な構造でありながら、暴風雨でもビクともしない堅牢性が魅力です。キャンプ初心者の頃から愛用して、あのテントで雨風のしのぎ方とかいろんなスキルを身に着けたように思います」