〈スノーピーク半額!〉

 札幌在住の“ママキャンパー”「RIN」さんのもとに、キャンプ仲間からそんなグループLINEが送られてきたのは、今年2月上旬のこと。

「スノーピーク」といえば、日本を代表する高級アウトドアブランドであり、キャンプ好きの間では、羨望の的でもある。そのスノーピークのテントが、札幌市郊外のディスカウントストアのアウトドア用品売り場で何と半額で売られているという“おトク情報”を教えてくれたのである。

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「LINEを見た夫が『安い、これはやばい! 買わなきゃ損! すぐ行こう!』と色めきたってしまって(苦笑)。でも元が20万円ぐらいする商品なので、半額といっても10万円近いんですよ。『買わないからね。見るだけよ』とクギを刺して、一応見にいくだけ見にいきました」(RINさん)

 結局、そのテントはグループLINEに入っている別のキャンプ仲間が購入することとなり、「正直ホッとしました(笑)」というRINさんだが、売り場を見回してみると、スノーピークに限らず多くのキャンプギアが値下げされていることに気付いた。さらに売り場のスペースも以前より狭くなっており、聞けば2月末でアウトドア用品売り場自体が無くなってしまうのだという。

「このところ“キャンプブームが下火”みたいな話も聞いていたので、やっぱりそういう流れなのかなあ、とは感じました」(RINさん)

アウトドア用品販売「スノーピーク」 ©時事通信社

キャンプ需要が落ち着いた?

 それから約10日後の2月14日、それを裏付けるようなニュースが話題になった。

〈コロナ禍のキャンプブームが失速 スノーピークの純利益99.9%減〉

 そんなタイトルで朝日新聞デジタルが報じた記事によると、スノーピークが発表した2023年12月期決算で〈売上高は前年比16・4%減の257億円、本業のもうけを示す営業利益は74・3%減の9億円。米国と国内事業での収益性を見直し、4億円の特別損失を計上したことで純利益は99・9%減の100万円だった〉という。大幅な減益の理由をスノーピークは〈コロナ禍で高まったキャンプ需要が落ち着いた影響〉と説明しているが、実際にスノーピーク製品が“投げ売り”状態になっていたのを目撃していたRINさんは、このニュースを聞いてどう思ったのだろうか。