コロナ禍で火がついたと言われている“キャンプブーム”。日本オートキャンプ協会の発表によると、昨年のキャンパーの傾向は、1位が「ソロキャンパーが増えた」(58.1%)、2位が「女性のソロキャンパーが増えた」(38.2%)なのだという。一方で、ひとりでキャンプに来ている女性を狙った悪質なナンパも少なくない。そこで今回は、女性キャンパーたちに、過去に遭遇したナンパ被害の体験を語ってもらった。
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見知らぬ男性2人組に突然声をかけられる
3年前から趣味でキャンプを始めた豊川美南さん(仮名・30歳)。ソロキャンプで遭遇したナンパ被害について話してくれた。
「冬にひとりで行ったキャンプでの出来事です。その日は、前日に雪が降っていて、私のキャンプサイトにも雪が積もっていました。すると、男性の管理人さんが『ソロキャンプは大変だから』と言って、サイト内の雪を避けてくれたり、電気毛布を貸してくれたりと、とても親切にしてくれたんです」
管理人は、一通り作業を手伝うと「じゃあ楽しんで」と言って去っていった。その言葉通り、豊川さんは食事やお酒を飲みながらソロキャンプを満喫していたが……。
「突然、見知らぬ男性2人組に『こんにちは』と声をかけられました。聞けば『女子のソロキャンパーがいると管理人さんに教えてもらったので、あいさつに来た』とのことで、なぜか握手を求められたんです。私と一緒にお酒を飲みたそうな雰囲気を醸し出していましたが、苦笑いで対応していると、そそくさと帰っていきました」
「女性の意見を聞きたい」と頼まれ、LINEを交換すると…
その後は何事もなかったが、自分の居場所を勝手に伝えた管理人に対してモヤモヤした気持ちを抱えたまま眠りに就いたという。
「とはいえ親切にしてもらったので、翌朝、管理人さんにお礼を伝えてチェックアウトしました。すると、『管理人として、もっと女性の意見を聞きたいのでLINEのIDを教えてほしい』と頼まれたんです」
豊川さんは一瞬動揺したものの、男性が真剣な様子だったこともあり「キャンパーのためになるならば」とLINEを交換。帰宅後、キャンプ場に改善してほしい点を箇条書きにして送ったという。