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「狭い車内で一緒にいるから、喧嘩は多い」“改造した軽自動車”に彼氏と住んで3年…29歳女性がそれでも車中泊生活を続ける理由

「軽バン生活」あかねさんインタビュー #2

2023/10/07
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 軽自動車におけるワンボックスの一種「軽バン」で車中泊をしながら、日本全国を旅するYouTubeチャンネルが人気を呼んでいる。登録者数30万人超の「軽バン生活」だ。あかねさん(29)・はやとさん(28)のカップルがこのチャンネルを始めたのは3年前。2人で軽バンをDIYする様子や、車中泊暮らしのリアルを映した動画が注目を集め、着実に登録者数を伸ばしてきた。

 そんな「軽バン生活」のあかねさんに、車中泊生活での苦労や、日本一周で印象に残っている場所、車中泊生活を終わらせるタイミングなどを聞いた。(全2回の2回目/1回目から続く)

「軽バン生活」のあかねさん(写真=あかねさん提供)

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夏の車内は暑すぎて、ホテルに泊まることもある

――軽バンで日本一周をしているあかねさんとはやとさんは、寝るだけでなく、食事や仕事も車内でしているのですよね。普段はどんな生活をされているのでしょうか。

あかねさん(以下、あかね) 過ごしやすい季節のときは、1日中車内で過ごすことも多いですね。それぞれ仕事をしたり、休憩するときは一緒にiPadで映画やお笑いを観たりして。

 夏場はずっと車内で過ごすと危険だから、昼間はカフェや道の駅で過ごして、涼しくなってから寝るためだけに車に戻ります。換気扇をつけて車内の空気を循環させたり、扇風機やネッククーラーで体を冷やしたり、暑さ対策もしています。

 ただ、狭い車の中に冷蔵庫やバッテリーを積み込んでいるので、どうしても車内が暑くなってしまうんです。昨年の夏場に車の中で寝て熱中症になったことがあるので、暑すぎる日は無理せずホテルに泊まるようにしています。

38万円で購入したスクラムワゴンを2人でDIY。車内には冷蔵庫やバッテリーも積み込んでいる(写真=あかねさん提供)

――1か月の生活費はどのくらいかかっているのですか?

あかね 季節によっても大きく変わります。夏は車内で長時間過ごせないので、どうしても外食やホテル泊が増えちゃって。それでも20万円あれば2人での生活に困ることはありません。

 夏以外は車内で自炊するので、生活費は夏の3分の2程度で済みますね。冬は暖房をつけなくても家電やバッテリーの熱があるから暖かくなるんです。それに車内は狭い空間なので、2人の人間が生活していれば自然と暖かくなります。

 軽バンに走行充電とソーラーパネルが付いているので電気代は無料。日本には「湧水」を汲める場所がたくさんあるので、水が必要なときはGoogleマップで調べてその場所に行っています。湧水が出ているところには賽銭箱があって、水を汲むときにお賽銭を入れるんです。だから水代はお賽銭だけで済んでいます。