彼とずっと一緒の空間にいるから喧嘩も多いが…
――パートナーのはやとさんと2人で車中泊をしているからこそ感じる悩みはありますか?
あかね ずっと一緒の空間にいるから、喧嘩は多いですね……。しかも、喧嘩したあとも同じ空間にいなきゃいけないから大変なんです。
――どんなことで喧嘩をするのでしょう?
あかね 私たちの乗っている軽バンは、寝るときは運転席と助手席を倒してフルフラットにしているんですよ。そうすると、寝るタイミングも、起きるタイミングも相手に合わせないといけない。たとえば私のほうが早く起きて、「朝ごはんを買いにコンビニに行きたい」と思っても、彼が寝ていたら運転席を使えないから、移動できないんです。そういうストレスが積み重なって喧嘩することは多いですね。
あと、外食するときもよく喧嘩します。彼はラーメンを食べたいけど、私はどうしてもその気分になれないときがあって。結局、彼1人でラーメン屋さんに行って、私は車内に残ってコンビニのおにぎりを食べて過ごすとか。彼と私の食べたいものが一致すれば問題ないのですが、そうじゃないことも多い。でも、車は1台しかないから、どちらかの意見にあわせてお店を決めなきゃいけないんです。
――たしかに、すべての行動を共にしないといけないのはストレスになりそうですね。
あかね どんなに仲が良くても、ずっと一緒だと疲れちゃう。だから、イライラしているときはスーパー銭湯に行って、ゆっくりお風呂に入ります。別々に過ごすことで、気持ちが落ち着くんです。パートナーに優しく接するためには、適度な距離が必要なときもあるのだと、この旅で痛いほど分かりました……。
車で日本一周の旅を続けるのは、毎日違う景色に出会えるから
――長期の車中泊生活は、大変なことも多いのですね。それでもあかねさんとはやとさんが、軽バンで日本一周の旅を続ける理由は何でしょうか?
あかね やっぱり、毎日違う景色に出会えることが大きいですね。朝起きるとすぐ目の前に雲海が広がっているとか、滝の音が聞こえるとか。車中泊生活だと、季節や天気の変化も楽しめるんです。雨や雷、雪の音がダイレクトに聞こえてくるのが私は好きで。悪天候でもワクワクします。
車中泊を始めたばかりの頃は、その土地土地の観光スポットに行くことも多かったのですが、最近は地元の方が利用するようなスーパーや銭湯に行くことが多いです。そこで出会った方から、地元の人しか知らないおいしいお店や名所を教えてもらうこともあるんですよ。居酒屋で隣の席に座っていた方と仲良くなって、一緒に2軒目に行ったこともあります。
特別なことは何もしていないのですが、その地域の空気を感じられるのが旅らしくていいな、と思っています。