某交通会社で使われていた路線バスをネットオークションで落札した、センパイ氏とそのパートナーであるわすこ氏。

 YouTubeチャンネル「わすことセンパイ」を運営しているふたりに、バスを手に入れるまでの経緯、自家用車として使うための手続き、バス落札にあたって大型免許取得に挑んだわすこ氏の奮闘などについて、話を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)

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60万円で中古のバスを購入

ーーいきなりですが、どうして中古の路線バスを買おうと思ったのでしょうか?

センパイ 言ってしまえば、“売ってたから”なんですよね(笑)。僕は車を運転するのが好きで、大型車を運転できる免許を持っているけど、運転する大型車を持っていないもどかしさがあって。

 3年前ですね。そうやって悶々としていたところに、ヤフオクを見てたら「ん?! バス売ってんじゃん!」って。しかも、60万円とかで案外安かったんですよ。それで衝動買いしてしまいました。「買っちゃえ」と。

左がセンパイ氏、右がわすこ氏

ーーわすこさんは、センパイさんから「中古のバスを買いたいんだけど、どう思う?」みたいな相談をされたりは。

わすこ されなかったですね。完全に事後報告でした。

センパイ 「バス買っちゃったんだけど……」って。案外安かったと言いましたけど、60万円からのスタートだったので、さすがに落札できるとは考えていなかったんですよ。それもあって入札していたのを忘れていて。そうしたらスマホに「あと1時間でオークションが終了します」って通知が入ってきて、「なんか入札しているものってあったっけ?」とリンクを開いたら「そうだ、中古のバスを入札してたんだわ!」って。

 で、そのまま落札できちゃって。落札しちゃった手前、「買うしかないな」と。

センパイ氏

ニッチな需要がある中古バス

ーー誰も入札しなかったのでしょうか。

センパイ そういうことです。どうしても路線バスの中古って需要がないんですよね。基本的に業者から業者に渡っていくので。このバスも某バス事業会社が持っていた車両で、一度はドラマや映画で使う劇用車を扱う会社に行ってたらしいんです。そこから、また人手に渡って、ヤフオクに出されて、僕が落としたわけですね。

わすこ 前に所有していたのは中古車会社で、このバスを食堂車(キッチンカー)にしたかったそうです。

ーー大きな需要はないけど、ニッチな需要はあると。

センパイ あると思います。買った時期って、ちょうどコロナ禍が始まった頃だったんですよ。それでキャンプとかがガーッと流行ってきた時期だったので、キャンピングカーのベースにするとか、大きな庭や駐車場のある家の人だったら離れにするとか。ヤフオクの出品ページにも「そんな感じの使い方でどうぞ」みたいなことが書いてありましたし。