ーー普通免許を持っていても、大型免許の取得は道のりが険しいものですか。
わすこ 普通車の免許も、私はオートマ限定で取っていたので。大型はマニュアル車が運転できないといけないので、そこから始めるって感じではありましたね。
センパイ オートマ限定から大型二種。いわゆる最上位の免許にのぼるので、やっぱり教習自体がすごく長いんです。
わすこ 普通免許を取るのよりも長くかかったと思います。しかも、詰め詰めで。
センパイ しかも「はい、じゃあよろしくお願いします」って言われて、1限目の実車からバスに乗らされるんです。
「発進できるかな」と心配で様子を見に行ったら…
ーー普通免許所持者は基本的なことは承知している前提で、いきなり大型バスで実車教習から始まると。
センパイ ですね。こういうところでは止まるとか交通法規は知っているはずだから、まずは大型車に慣れましょうっていう。
わすこ それが、人生初のマニュアル車でもあるという。「わかります? クラッチ」「ク、クラッチ?」みたいな。一応、バイクの免許も取っているのでクラッチの原理みたいなものはなんとなくわかるんですけど。
センパイ クラッチを切って、つなげて、っていうね。
ーー実車教習で使われる大型車って、バスになるんですね。
センパイ 大型二種はバスです。
わすこ 大型一種だとトラックですね。
ーーしかし、はじめてのマニュアルなうえにバス。動かせましたか。
わすこ できちゃったんですよね(笑)。
センパイ 僕も心配で様子を見に行ったんです。「発進できるかな」とハラハラしてたら、意外にもスムーズに外周を回りだしたので「やるな……」って。
一発合格で大型二種の免許を取得
ーーオートマ免許しかないわすこさんがいきなり大型二種を取ったわけですよね。教官の反応はいかがでしたか。
わすこ 私が通っていた教習所で大型二種を取っていたのは、私しかいなかったのでザワザワしていましたね。トラックの一種を取っている方も男性ばっかりなので、教習所内でちょっと噂にはなってました。「なんか若い女の子が取りに来てるよ。しかも彼氏がバスを持っているらしいんだけど?」みたいな。
教官の方も「女性で二種は、なかなかいないよ」「女の子のほうが丁寧に運転するから取りやすいよ」なんて言ってくれましたね。おかげで、一発で合格できました。
ーー教習所通いが大変だなと思うことはなかったでしょうか。
わすこ 乗り始めたら「楽しいかも」って。教官にも褒めてもらえるので(笑)。
ーーちなみに教習所のお金って。
センパイ それは僕がちゃんと。彼女に払わせたりしたら、一緒にいてもらえていないです。70万円、払いました。
わすこ バスより高いんだよね(笑)。
写真=榎本麻美/文藝春秋
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