文春オンライン

連載クローズアップ

五代目襲名の桂三木助が語る「これからの落語にできること」

桂三木助(落語家)――クローズアップ

2018/08/04
note

「噺家になろう」と決心したのは20歳になる半年前

「母方の祖父、三代目三木助の落語を聞いて、『噺家になろう』と決心したのが20歳になる半年前。祖父はとうに亡く、四代目の叔父も家では普通の叔父さんと甥の関係でした。全然落語家になるつもりのなかった私は、周りの先輩方に教えて頂いたからこそ今日があります」

「芝浜」始め、古典落語が好きで得意。自分も研鑽を積むと共に、若い人達にも落語の面白さを広めたいと願う。

「2カ月に一度、神田では勉強会、半蔵門で初心者向けの会を開いています。後者は初めてでも聞きやすい、15~30分の演目を2つ。〈江戸のお金の勘定の仕方〉とか、落語に出てくるテーマも交えながら、それに関連した噺を語ります。

ADVERTISEMENT

 落語は想像力を働かせて楽しむ世界。とはいえ、頭の中が?マークで一杯では面白くないでしょう? 『へっつい幽霊』に出てくるへっついなどは、34歳の私も実際に見たことがない(笑)。補足的な映像を組み込んだ落語の動画を作ってYouTubeで公開することも考えています」

 落語や話芸に親しんでみたいという方は、出演日程が掲載された『東京かわら版』(冊子とネット版あり)が便利。

「今後の予定としては、東京以外でも、名古屋や九州(大分)など各地にお伺いします。時代は変われど、落語でしか表せない事柄、落語だから表現できる世界に真摯に取り組んで行きたいと思います」

かつらみきすけ/1984年、東京都生まれ。国士舘大学中退。祖父は三代目桂三木助、叔父は四代目桂三木助。祖父の録音を聞いて落語家を志す。19歳で金原亭馬生に入門、金原亭駒春を名乗る。2006年二つ目に昇進。祖父の前名桂三木男を襲名。17年9月真打に昇進し、五代目桂三木助を襲名した

桂三木助「動物園(ショートバージョン)」
桂三木助師匠の気風の良い落語は是非落語会にて。
http://www.mikisuke5th.com/schedule

INFORMATION

五代目桂三木助公式ウェブサイト
www.mikisuke5th.com

五代目襲名の桂三木助が語る「これからの落語にできること」

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春をフォロー