「盛夫はやさしい子でしたよ。いつもあたしのことを気遣ってくれてね。
それなのに母親に、自殺した姿を見つけさせるなんて……、本当に……」
涙をこらえることなく語ったのは、落語家の四代目・桂三木助(本名・小林盛夫)の母・小林仲子さん(88)だ。バラエティやドラマ出演など、落語家の枠に留まらない活躍で一躍人気者になった四代目・桂三木助だったが、2001年に自殺した。今回、四代目の甥(本名・小林康浩)が五代目・桂三木助を襲名したのを機に、仲子さんが演芸評論家の渡邉寧久氏のインタビューに応じ、息子の死について初めて語った。
仲子さんの夫は「芝浜」を練り上げ、名人と称された三代目・桂三木助。インタビューでは夫から息子、そして現在は孫へと受け継がれた「桂三木助」のDNAについても語っている。
「お父さん(三代目・桂三木助)は58歳で死んじゃってね。その後を盛夫が継いで四代目になったんですが、これからっていう時にあんな最期でね。
今年9月、孫のやっちゃんが、五代目を継ぎました。本当はね、やっちゃんが落語家になるのも嫌だったの。本人がなりたいって言い出した時、『盛夫のような思いはしたくないから、絶対ならないで』って、そう頼んだんですけどね。でも落語家になって、ちゃんと頑張って、ここまで来てくれました」
インタビューの詳細は「文藝春秋」11月号に10ページにわたって掲載されている。
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