2018年シーズンが終わり、ベテランたちが次々とチーム退団を発表している。
札幌の河合竜二(40歳)と稲本潤一(39歳)、FC東京の前田遼一(37歳)、名古屋では玉田圭司(38歳)、神戸の北本久仁衛(37歳)、セレッソ大阪から茂庭照幸(37歳)、福岡では駒野友一(37歳)、山瀬功治(37歳)、松本の岩間雄大(32歳)とまだまだチームを去るベテランが増えていきそうだ。
名前をみれば日本サッカー界に貢献してきた選手ばかり。チームとの契約が満了になり、御役目ご苦労様ということなのだろう。彼らは一様に現役続行を表明している。
試合に出場していても“戦力外”となる理由
ベテラン選手が契約更新ができなかった理由は来季のチーム事情、選手個人のパフォーマンスの低下、怪我などいろいろある。その一方で、まっとうなチーム内の競争下に置かれることなく、無条件で試合出場のチャンスを失い、契約満了を迎えるケースもある。例えば、同じようなレベルのベテラン選手と若手選手とを並べた時、多くの指揮官は若手の伸び代や将来性に期待して若い選手を起用する。その傾向はとりわけ外国人監督に顕著だ。起用は監督の専権事項なので選手は文句を言えず、悶々としたままシーズンを終え、これではやめられないと思う選手が出るのは当然と言えば当然だ。契約満了にともない、指導者としての契約を打診されるケースも多いが、不完全燃焼ゆえに現役続行を求めているので、選手は退団を選択するしかない。
試合に出場していても来季のチーム編成から漏れたり、あるいはこれ以上の結果を翌年は残せない、若手の育成のためにと判断されると契約満了になる。24試合3得点の玉田や29試合1得点の山瀬、今季34試合出場し、5年間で30試合以上出場した岩間はクラブ側のそういう判断なのだろう。クラブのチーム編成や世代交代でベテランを切らないといけないことはプロの世界ゆえに分かるが、選手との契約の「終らせ方」は非常に重要だ。