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日テレ式の「テレビ的」演出はいつまで持つか

 では、かつての王者フジはどうか。『めちゃ×2イケてるッ!』、『とんねるずのみなさんのおかげでした』という局を象徴する番組を終わらせ、路線を変更。その結果が出てくるのはもう少し先になるだろう。そんな中でも当時入社2年目の千葉悠矢が立ち上げたクイズ番組『99人の壁』がレギュラー化されるなど、若い芽は出つつある。

 かつて「テレビ的」といえば、それは即ちフジのことを指した。その「テレビ的」なものに対するアレルギーがここ数年強くなり、その結果としてフジが苦しんでいる。だが、いまや「テレビ的」とはテロップやワイプなど日テレ式の演出を指すことが多くなってきている。ならば、視聴者がそれにアレルギーを起こし始めるのも時間の問題かもしれない。

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 テレビ東京が近年高い評価を受けているのは、日テレ同様、タレントに頼らない企画重視で勝負する(しかない)が、日テレとは逆にテレビ的な演出を極力排し、初期衝動のままつくっているように見えるからだろう。

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 最近ではタイムシフト視聴を含めるなど、視聴率自体も時代とともに変化しつつある。テレビを取り巻く環境もネットの動画配信サービスの充実などもあり、激変している。「変わらない」ということが強みだった日テレもこうした時代の変化に柔軟に対応できなければ、その強さを維持することはできないはずだ。

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