「銀座という特別な街のなかで語り継がれるいくつもの歴史」
【銀座駅1分 街を見渡す特別な上質空間】
【都会の中心とは思えないほどの豊かな緑に囲まれたガーデンテラス】
【品川、東京駅、羽田空港からも便利というアクセス抜群の都会の中心】
【だれもが羨む銀座という特別な街のなかで語り継がれるいくつもの歴史】
(「ザ・グラン銀座 ウエディングサロン」ウェブサイトより)
中には「大屋敷が置かれた江戸の武家地・表参道」と題して、エリアの歴史を綴る式場ポエムも。まるっきりマンションポエムと同じである。ちなみにウェブサイトのつくりも似ている。ブライダルフェア案内がポップアップするとか、完全にモデルルーム見学会のそれと同じだ。
結婚相手選びとマンション購入の共通点は?
思えば、結婚相手選びとマンション購入は似ている。一生にそう何度も選ぶものではない、という点もさることながら、容姿・収入・性格など、あちらをたてればこちらがたたずといったたくさんのパラメーター間で落としどころをみつける作業は、最寄り駅・値段・間取りなどの組み合わせを検討するのと似ている。「結局はお金次第」という点も同じではないかと思う。
ともあれ、都心の結婚式場がまず謳うのは立地だ。なによりこの点がマンションと同じで驚いた。考えてみれば地方からの参列者にとって分かりやすい場所にあることはとても重要。中には「駅から近いこと。それも『ありがとう』のカタチ」というポエムも。なるほど。
式場とマンションの意外な共通点。結婚も核家族の住まい選びも、両者とも「イエ」から脱却し、そのしがらみにかわって召喚されたのがポエムなのかもしれない。そのとき問題になるのは選択肢としての「場所」である、と。
なんだかそれっぽいことを言ってしまったが、近いうち本当に「マンション入居記念日」を祝う風習が定着するのではないかと、江東区湾岸のテンションを見て思った次第だ。(初出「アットホーム」ウェブサイト)