店は舞台、店はリング　飽きさせない店づくり　伊野尾書店

誰かのオススメは強い

 伊野尾店長によると、一年中いろんな形でフェアやイベントをやっているが、中でも「中井文庫」は反応がいいという。誰かがこの本をオススメしているという事実は強い。ときに、つまらない本＝ハズレ＝を引きたくない一心で本が選べないことがある。そんなときは、誰かのオススメを買ってみるとよい。やっぱりハズレを引くかもしれないが、少なくとも誰かが「この本、すげー面白い」とオススメした本、自分では選ばなかった本＝新しい世界＝に触れられるかもしれない。

【本の話WEB読者にオススメ】

 伊野尾店長のオススメ本は、田房永子さんの『男しか行けない場所に女が行ってきました』（イースト・プレス）。伊野尾書店のオススメは面白い。「中井文庫」の選書も、店内に並ぶスタッフのオススメも、ブログ「伊野尾書店WEBかわら版（http://inoo.cocolog-nifty.com/news/）」で紹介されている作品も魅力的だ。ジャンルや固定概念を超えて、選ぶ側が真剣に楽しんでいるのが伝わってくる。

 即席のリングとなった書店店頭でレスラーが真剣勝負を繰り広げたように、伊野尾書店の店頭で店長やスタッフがどんな楽しい真剣勝負を見せるのか、これからも注目だ。

「中井文庫」から1冊購入。オリジナルキャラクター（伊野尾君というらしい）がかわいいブックカバーを、スタッフが手際よく掛けてくれた。カバーのかけ方には、いろいろ流儀があるが、コーナーが斜めに折り込まれているのが伊野尾書店流。読んでいてしっくりとフィットして気持ちいい。

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