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「ぜいたくを避けるという意味で、金銭感覚が自分と同じ人」

「(この人ならという女性に会ったことは)まだないです」「身長、学歴、家柄とか、ぼくはそれほどこだわらないです。相手として自分と価値観が同じである人が望ましい。具体的にいえば、美しいものを見た時、それを美しいと評価できる人。大切なものを大切と認識して大切に扱う人。ぜいたくを避けるという意味で、金銭感覚が自分と同じ人。ニューヨークのティファニーであれやこれや買う人は困る。二番目に、だれとでも気軽に話ができ、人と会う場合でも、その人と話そうという環境をつくり出せる人。話す時も控えめではあるが、必要な時にはしっかり自分の意見を言える人。外国語はできた方がいい。さらに自分と趣味を分かち合える人がいいと思います」(「毎日新聞」1993年1月7日)

小和田雅子さん(当時)。皇室会議用に撮影された 宮内庁提供

「これからも妻とこのような登山の楽しみを見出せたら」

 趣味の一つに、山登りをあげられている皇太子さま。宮内記者会の記者たちと一緒に、山登りを楽しまれることもあると聞く。1988年2月、28歳の誕生日を前にした記者会見では結婚を富士登山に例えて、

「七合目、八合目ぐらいといったところでしょうか」

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 とお答えになったこともある。

1998年5月、那須岳で登山を楽しまれる皇太子ご夫妻 ©文藝春秋

「山と渓谷」(1996年1月号)には「山と私」というエッセイが掲載され、これが皇太子さま初の雑誌へのご寄稿となった。この中では雅子さまとの登山について、

〈最近、私は妻と東京都の最高峰雲取山に登った。山は冬の装いを呈し、吹きつける風は冷たかったが、すばらしい眺望に恵まれた。この山は一五年前にも登っているが、山頂から重畳たる四方の山々を望み、登山の醍醐味を改めて感じた。また、ふたりでこの光景を目の当たりにし、東京奥深くの晩秋の自然に接することができた喜びも味わった。私は、これからも妻とこのような登山の楽しみを見出せたらと思う。〉

 と生き生きとした筆致で綴られている。雅子さまについて、皇太子さまが具体的に何かをお書きになったり語られたりすることは、とても珍しいことのように思う。