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「私の視野を大きく広げてくれた『水』に感謝」
皇太子さまといえば「水」への強いご関心をお持ちであることで知られる。4月4日には、水にまつわるご講演9篇が収められた『水運史から世界の水へ』(NHK出版)が刊行された。同書の「はじめに」には、「水」への感謝を述べられている。
〈水問題は、あたかも水がどこにでも流れていくように、世界の紛争、貧困、環境、農業、エネルギー、教育、ジェンダーなどさまざまな分野に縦横無尽に関わってきます。(中略)水を通してこれらの問題に関心を持つことができたことは、とても有意義であり、私の視野を大きく広げてくれた「水」に感謝しています。〉
昭和天皇や今上陛下が生物学の分野を研究されたのに対して、皇太子さまは学習院大学文学部史学科で学ばれた。同大学院でも水上交通史の研究を続けられ、オックスフォード大学大学院へ留学された後に、初の著書『テムズとともに』(学習院教養新書)を上梓された。
「父母に」と献辞のあるを胸熱く「テムズと共に」わが書架に置く
美智子さまは、1993年にこのような御歌を詠まれ、母として皇太子さまを誇らしく思われるお気持ちが伝わってくるようだ。
実は最近、皇太子さまは「学習院大学史料館『ミュージアム・レター』No.40」(2019年3月20日発行)に、両親である天皇皇后両陛下への思いが読み取れるような文章をお書きになっている。