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私は「子どもがほしい」と思っていますが……

 事実、私は「子どもがほしい」と思っていますが、今の自分の収入やキャリア設計などを考えると、今すぐに子どもを作るわけにはいきません。貯金も多いわけではありませんし、実家に頼ることもできないため、夫婦で、もしくは1人で子どもを育てていくには、まだまだ準備ができているとは言えないためです。

 また、私の友人が「ほとんど寝られていない」と話していたように、そうした状況で仕事と育児を両立できるか、という自信がまだ自分にないことも、今すぐ子どもを作るわけにはいかない理由の一つです。

 昔と比べると、今は「子育てをする家庭」に対しての支援の必要性がある程度注目を浴びていますし、2017年の介護休業法改正により育休期間が延長できるようになるなど、少しずつではあるものの、状況改善しようとする動きも見え始めています。

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「女性の社会進出」と「育児は女性のもの」論

 少しでも子育てがしやすい社会づくりが進むように、当事者世代である私たちが声を上げ続けることは必要不可欠です。政府が「女性の社会進出」や「少子化対策」を謳うのであれば「子育ては女性がメインで行うべきものである」という日本の古い悪習も、ここで断ち切るべきでしょう。「女性の社会進出」と「育児は女性のもの」論は、令和を迎えた今でも矛盾が解消されることなく、子どもを持つ女性たちの首を締め続けています。

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「残業こそが正義! 残業代は出ないし特にやることもないけどみんな残ってるし、評価アップのために残業しろよ」みたいなことをいまだに地でやっている会社は多くありますが、そういう同調圧力をなくし、「定時後は家庭で過ごす時間」であることを世間が許容することで、どれだけの子育て家庭が救われることだろう、と思います。男性だって、子どもの親です。無駄な残業をさせるのではなく、家族のためにも早く家に帰してあげなくてはなりません。

 それこそ先に書いた「余裕がなくて子どもにマジギレしてしまうお母さん」は、決して「本人の責任」でそうなったのではなく、ある意味「対極」にあるはずの「女性の社会進出」と「育児は女性のもの」の、2つの論に挟まれて行き場を奪われてしまった人たちなのではないでしょうか。