最近子連れのお母さんが、3~5歳くらいの子どもにマジギレしている現場によく出くわします。

 よっぽどのことがあったのだろうか、と心配しながら見守っていると、どのお母さんも例外なく、ひどく疲れた表情をしていることに気が付きました。

「そんなに怒ることでもないのでは……?」

 彼女らが子どもに対して怒っている内容は「さっき聞いたときは『トイレに行きたい』と言わなかったのに、突然『トイレに行きたい』と言い始めた」とか「歩くのが遅い」とか、はたから見ていると「そんなに怒ることでもないのでは……?」と思ってしまうようなものです。

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 突然お腹が痛くなることがよくある私は、今まさに腹痛や強烈な尿意で苦しんでいるかもしれない子どもに同情してしまい、お母さんに「すぐ近くにトイレがあるので連れて行ってあげてください」と話しかけようと思い立ちました。しかしその直後、鬼の形相で「さっき聞いたときに何で言わなかったの!? もう知らないよ、トイレないからね!!!」と子どもの手を引っ張ってズンズン歩きだしたお母さんの気迫に負けてしまい、とうとう何も言えなかったのでした。

自分のトイレもごはんもままならない……

 子どものいない私からすると「どうしてそこまで……」と不思議に思うような出来事でしたが、つい先日、子どものいる友人宅にお邪魔したときに、その理由が少しながら分かったような気がしました。

 赤ちゃんを抱く友人はすっかりお母さんの顔になっていましたが、私が家に上がると早々に「ごめん、少しの間抱いててあげてくれない?」と言い出すのでどうしたものかと聞くと、「抱っこしてないと泣いちゃうから、自分のトイレもごはんもままならなくて……」と言い、トイレに走って行きました。

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 幸い人見知りをしない子だったので、私が抱っこをしてもぐずることはありませんでした。そこで、友人に昼食をゆっくり食べてもらい、食器の片付けややり残していた家事などすべてを終えるまでのあいだ、数時間ほど子守をさせてもらうことにしたのですが、これが予想以上に大変なことの連続だったのです。

 まず、常に抱っこをしていなければ機嫌を損ねてしまうので、腕と腰が死にます。うとうとしてくるまでは座ることも許されず、1時間か2時間は抱っこし続けます。その間、オムツが濡れていないかどうかもチェックをしなければなりません。オムツ確認の際は仰向けに寝かせられるので、束の間の抱っこからの解放です。しかし、オムツが濡れているとなれば、今度はすばやくオムツの交換をする必要があります。初めてのオムツ交換だったので友人に手伝ってもらいましたが、1人でやるとなると、いかにご機嫌を損ねてしまう前にスムーズに終わらせられるかが肝だと言えるでしょう。