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巨人戦で打ちまくった大洋・平田薫の記憶と中井大介に寄せる思い

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/07/24
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中井大介に期待したい巨人戦での活躍

 それにしてもなぜ2019年の今、平田薫の活躍を振り返るか。それは今年巨人からやってきた中井大介の姿と重ねて見ているからだ。巨人の4番候補と期待されるも結果を残せず、11年目にして戦力外通告。昨年そのニュースが流れた際に「こういう選手が今の横浜に来るといいよな」と思っていたら球団は本当に獲得してくれた。そしてここまで打率.258、2本塁打。代打に守備固め、左投手先発時のスタメン起用とユーティリティーぶりを発揮しているが、どうしても期待したくなるのが現在7.5ゲーム差に迫り、直接対決を12試合残している巨人戦。ここまで対戦打率は.154。主力左腕もメルセデス、高木京、中川、田口と中井の出番は限定されがちだが、数少ないチャンスをモノにして恩返ししてくれたら……、そんな目線で毎試合中井の出番を心待ちにしている自分がいるのだ。

中井大介 ©時事通信社

 最後にもうひとつ“1985年の平田”で象徴的な出来事がある。5月17日、新日本プロレスのストロング・マシーン(後にスーパー・ストロング・マシーンに改名)がドラゴン藤波辰爾から「平田だろ! お前!」とマイクアピールで正体をばらされる事件が起こったのだ。マシーンの正体が平田淳嗣であることはプロレスファンの間では公然の秘密だったとはいえ、覆面レスラーの正体を明かすなどタブー中のタブー。2000年代に入りプロレス好き芸人の尽力もあって広まったこの発言は現在ネタ的にさまざまな場面で使われており、横浜スタジアムでの横浜対中日戦でニコ生中継を観ていると、中日・平田良介が打席に立つ度に「お前平田だろ」のコメントがチラホラ流れてくる。何回も見ているしお約束とわかっていても、筆者はついほくそ笑んでしまうのである。

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