この男はただものではない。新たにシーズン途中でマリーンズに加入した助っ人 レオネス・マーティン外野手だ。そもそも今シーズン前半戦はメジャーでプレーしている。クリーブランド・インディアンズで65試合に出場し47安打、9本塁打、19打点。通算ではメジャーで770試合に出場し58本塁打、228打点。そして126盗塁(キャリアハイは2013年の36盗塁)をマークしているバリバリの大リーガーなのである。そんな男は日本大好き。2010年9月にキューバ代表として来日した時に虜になったという。

ホームへの返球で「157キロを記録したことがある」

「感動した。街は綺麗で食事も美味しく、人々も礼儀正しく親切。素晴らしい国だと思った。チャンスがあればまた来たいとずっと思っていたんだよ」

 来日したばかりのマーティンはそう言って目を輝かせながら話してくれた。だからこそクリーブランド・インディアンズを自由契約となった際に日本でのプレーをすることも選択肢の一つとしてとらえ、千葉ロッテマリーンズからオファーが届いた時にその他のメジャーチームでプレーができる可能性がありながらも交渉のテーブルについた。そして7月14日。ついに発表の時を迎えた。

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「私も家族も日本でチャンスを掴むことにとても興味があった。千葉ロッテマリーンズは素晴らしい球団でファンも熱いと聞いていたので、入団を決めたんだ」とマーティンは当時の事を振り返る。

今シーズン前半戦はメジャーでプレーしているレオネス・マーティン

 すでに7月26日のイーグルス戦(ZOZOマリンスタジアム)で日本デビュー。さっそく強肩を披露しホームで刺すと翌27日もビームを披露しホームで走者を封じた。ちなみにアメリカ時代のあだ名がイカビ(IKABIで、由来と意味はまったく不明)であることからひそかにイカビームと命名されている。

「キューバにいた17歳の時にセンターからホームまで返球する際にスピードガンで計測されて157キロを記録したことがある」と本人は胸を張る。

 その肩はメジャーでも有名で2017年8月31日にマリナーズからカブスに加入すると9月4日のピッツバーグ・パイレーツ戦(PNCパーク)、0対8とリードを許す8回裏一死一、三塁の場面で投手デビューした。なお、この時点で移籍後、野手としてはデビューをしておらず、まさかの外野手ではなく投手としてカブスデビューを果たしたことでも現地では話題となった。結果は、アンドリュー・マカッチェンら打者5人に対し、2ランを含む被安打3、失点2の内容。球数17球中、90マイル以上は7球あり、本人曰く、「MAXは95マイルだった」。