7月17日、第161回直木三十五賞(日本文学振興会主催)の選考会が東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、大島真寿美さん(56歳)の『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』(文藝春秋)が選ばれた。
《大島真寿美さんプロフィール》
1962年生まれ。92年「春の手品師」で第74回文學界新人賞を受賞しデビュー。
主な作品に『チョコリエッタ』2003年角川書店刊。『虹色天気雨』06年小学館刊。『ふじこさん』07年講談社刊(「春の手品師」併録)。『戦友の恋』09年角川書店刊。『ビターシュガー』10年小学館刊。『ピエタ』11年ポプラ社刊=第 9 回本屋大賞第 3 位。『あなたの本当の人生は』14年文藝春秋刊=第152回直木賞候補。『空に牡丹』15年小学館刊。『ツタよ、ツタ』16年実業之日本社刊。『モモコとうさぎ』18年KADOKAWA刊。
芥川賞は「むらさきのスカートの女」
また、第161回芥川龍之介賞(日本文学振興会主催)の選考会も同じく料亭「新喜楽」で開かれ、今村夏子さん(39歳)「むらさきのスカートの女」(小説トリッパー春号)が選ばれた。今村さんは3回目のノミネートでの受賞となった。
《今村夏子さんプロフィール》
1980年生まれ。2010年「あたらしい娘」(のちに「こちらあみ子」に改題)で第26回太宰治賞を受賞。11年『こちらあみ子』でデビュー。
■第161回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)※作者五十音順・敬称略
今村夏子『むらさきのスカートの女』(小説トリッパー春号)
高山羽根子『カム・ギャザー・ラウンド・ピープル』(すばる五月号)
古市憲寿『百の夜は跳ねて』(新潮六月号)
古川真人『ラッコの家』(文學界一月号)
李琴峰『五つ数えれば三日月が』(文學界六月号)
■第161回直木三十五賞 候補作(出版社)
朝倉かすみ『平場の月』(光文社)
大島真寿美『渦 妹背山女庭訓 魂結び』(文藝春秋)
窪美澄『トリニティ』(新潮社)
澤田瞳子『落花』(中央公論社)
原田マハ『美しき愚かものたちのタブロー』(文藝春秋)
柚木麻子『マジカルグランマ』(朝日新聞出版)
■選考委員
【芥川賞】小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、高樹のぶ子、堀江敏幸、宮本輝、山田詠美、吉田修一
【直木賞】浅田次郎、伊集院静、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、東野圭吾、宮城谷昌光、宮部みゆき
※五十音順・敬称略