文春オンライン

ほぼ毎日“運動中止すべき危険レベル” 東京五輪の暑さ対策は「観客の自己責任」というマズさ

「あの日傘は凶器にならないか」ってそこなの?

2019/08/23
note

小池都知事「暑さ対策は『心技体』が必要」

 森会長はこの猛暑は「ある意味、五輪関係者にとってはチャンス」(日刊スポーツ2018年7月24日)として、

「“現実”を今、“経験”できた」「実証実験のチャンス」「日本のイノベーションを世界に発信する機会」と自信たっぷりに述べていた。

 で、今回その実験のひとつとして「子どもが育てたアサガオを入場ゲートの柵の代わりにする」という超ド級のイノベーションを我々は見てしまったのである。東京五輪スゴイ、日本ヤバイ。

ADVERTISEMENT

 小池都知事は暑さ対策は『心技体』が必要(スポーツ報知2018年7月25日)で、

「心は意識、技は技術、体は体制です。その意識で進めていきます」

小池百合子都知事 ©JMPA

 何も考えてなさそうで嫌な予感しかなかったが、そういえばこの頃「打ち水」の有効性を訴えていたのは小池都知事だった。去年からヤバイ。

 ちなみに小池都知事が嬉しそうに紹介した「被る日傘」。私が出演する『サンデーステーション』(テレビ朝日)で取り上げたところ、ジャーナリストの後藤謙次氏が組織委員会に取材してくれた。すると「あの日傘は凶器にならないか」と組織委で議論になっているらしい。え、今、議論の対象ってそこなの……?

東京都が五輪・パラリンピックの暑さ対策で製作した「かぶるタイプの傘」の試作品 ©時事通信社

 そしていよいよこれ。「組織委からは観客に『自己責任で』と求める声まで出はじめた」という報道も(東京新聞8月7日)。

 トップがアレで現場が被害を受けそうな構図。いつか来た道である。

 最後は東京スポーツを紹介しよう。在日外国人を対象にした調査結果(ユニクロ)に目を付けた記事だ。

「日本の夏 アフリカより暑い」(8月8日付)

 日本の夏、スゴイ。

©iStock.com

 テスト大会でいろんなマズさが実証されてしまった。本番で今回の結果は役立つのか?

 あと、報道はやっぱり感動に走るのか。

 1年後に諸々検証したい。

ほぼ毎日“運動中止すべき危険レベル” 東京五輪の暑さ対策は「観客の自己責任」というマズさ

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー