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「最下位だった時も、堂々と」 ロッテの名物ウグイス嬢が、金田正一氏から学んだこと

2019/10/09
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金田氏から教えてもらったこと

 そんな金田氏の訃報が届いたのは10月6日の夜。享年86だった。多くの接点こそなかったものの川崎球場も含めて何度もその大きな背中を見てきた谷保氏はプロとは何かを教わった。ファンを喜ばせたパフォーマンスの数々。勝ちにこだわる勝負魂、執念。当時、プロ野球界に足を踏み入れたばかりだった谷保さんは本拠地が川崎からZOZOマリンスタジアムとなった今、後輩職員たちにその想いを伝える側に回っている。

©文藝春秋

「すごく元気で声が大きくて気さくな方でいつも堂々とされていた。最下位だった時も、堂々とお話をされていたのが印象的です。ただよく知る球団職員の方にも聞くと、とても繊細な方だったとのことです。私の一番の印象はロッテを誰よりも愛していらっしゃったということ。それがすごく放送席にいた私に伝わってきました」

 谷保さんは今シーズンが終わった時点で一軍で場内アナウンス担当をして1825試合となった。連続試合担当は1996年10月1日の近鉄バファローズ戦25回戦から始まり、1619試合連続となった。毎日、どんな時もベストパフォーマンスを心がけ、ファンに声を届ける。その声は名物となり、ZOZOマリンスタジアムになくてはならないものだ。ファンから愛されるのはロッテを愛し、誇りに思っているから。情熱は金田氏から教えてもらったものだ。

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梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

「最下位だった時も、堂々と」 ロッテの名物ウグイス嬢が、金田正一氏から学んだこと

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