朝。今日という一日のはじまり。朝くらいは悪意や憎悪や嫌悪から解放され、さわやかな時間を過ごしたい、いい人でいたい。しかしそんなささやかな願いすらなかなか叶えてはもらえない・・・・・・。

 それはこの番組があるから。『あさイチ』。あのわざとらしいまでの"朝ドラ受け"に心を逆撫でされ、狙いすぎ感ありありのタブー企画に胃もたれを起こし、罵詈雑言ファックスを敢えて読み上げるストロングスタイルに心がかき乱される・・・・・・。イライラするけどつい見ちゃう。ちゃちゃいれたくてつい見ちゃう。

 気づけばツイッターを起動し「出た、宮崎美子と内藤剛志のぶりっ子中年ゲストコンビ」「スゴ技Qの宮下君はアレか、ポロシャツの下の乳首をちょっと透かせるところまで契約条項に盛り込まれているのか」などの妄言を脊髄反射でツイートする始末です。私のような中毒者が多いのでしょうか。『あさイチ』、視聴率的にも朝の情報番組では向かうところ敵なしの強さを見せつけているようです。

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型破りの『あさイチ』を体現する有働さん

 今やジャニーズの好感度を一身に背負わされた感のあるイノッチ、生けるクソリプおじさん(※筆者命名)としてちょいちょい発言が炎上する柳澤解説員。そしてこの型破りな番組を体現する女、有働由美子アナ。好きな女子アナでは常に上位にランクイン、最近では「理想の上司」ランキングの常連でもある有働アナ。なぜ有働アナはここまで高い好感度を誇るに至ったのか。今回はその点について考えてみたいと思います。題して「由美子に何が起こったか~8時15分のやりすぎシンデレラ~」。

紅白司会の常連でもある。第65回NHK紅白歌合戦にて ©時事通信社

女子アナは有働一強時代です

 海外勤務を経験し、朝のニュース番組、夜のスポーツ番組、さらには紅白の総合司会まで……。これはNHKにおいて出世コースまっしぐらと言えるでしょう。「いかなる不眠症患者も眠りにつかせる驚異の朗読力」こと加賀美幸子、「絶対に笑ってはいけない深夜便」こと森田美由紀、「しゃべるだけでそこはNスペ」こと山根基世ら怪物アナの跡を継ぐ女であることは間違いありません。膳場の貴子もセレブ青山もクボジュンもミキティ住吉もいない、まさに有働一強時代。

 そんなスーパーエリートたる有働アナが朝の番組で主婦とタイマンかますというのだから穏やかじゃありませんよ。そこで有働アナが徹底的に取ったポーズが「寂しい独身女」キャラ。初の自叙伝『ウドウロク』(新潮社)にも自分がいかに雑で物悲しい日常を送っているかにかなりの分量を割いています。以下、親しみと敬愛を込めて“由美子”と呼ばせてください。