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〈大阪女児誘拐〉助けた女の子に「余計なことをしないで」と言われ……伊藤容疑者の正義感と挫折

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会

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「県内トップクラスの高校に伊藤くんだけが落ちた」

 伊藤容疑者が小学生時代に通っていたという剣道教室の関係者が話す。

「道場には小学校3年生の頃からから3年間通っていた。真面目で堅物だった。でも、成績はイマイチ。2、3回戦くらいまでかな。下の弟や妹が優秀だったから印象がどうしても薄い。妹さんはお医者さんになられてるしね」

 勉強はよく出来たという。中学の同級生の証言。

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「皆から伊藤君って呼ばれていました。比較的におとなしいグループに属していた。受験のとき、うちのクラスからは4、5人、県内トップクラスの高校を受験したのですが、伊藤くんだけが落ちた。『えっ? あの伊藤君が?』って皆が驚いていて、本人もショックを受けていた。誰も声をかけられないほど落ち込んでいました」

中学時代の伊藤容疑者(卒業アルバムより)

助けた女の子から「余計なことをしないで」と言われた

 前出の自動車学校の社長は伊藤容疑者との会話を覚えているという。

「世間話でニュースの話をしたときに、世界情勢について語っていたのを覚えています。『なんで日本がこうなっているのか。世界の情勢が、イラクや中東とかが間違っている。世の中は矛盾している』と話していました。休み時間は本を読んでいた。小説。タイトルはわからない。中学生の時に男子数人に虐められてる女子を助けたことがあるとも言っていました。でも、その女子から『余計なことをしないで』と言われたのだそうです。優しい子だったんですが……」

 正義感が強く、真面目で優しい青年だったという伊藤容疑者。30代半ばの大人になった今、なぜ未成年誘拐に手を染めてしまったのだろうか。

女児が駆け込んだ小山警察署犬塚交番 ©文藝春秋

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