昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

――基本的には、これまでやってきたことの延長であったと。

小島 延長ですし、毎回毎回、流れというか、そういうのもどんどん変わるので。今回1本作ったことで、次はまた作り方を変えないといけない。でもたぶん、そこが面白いんですよ。だから、それは不安でも何でもないですね。デジタルエンターテイメントがなくなることは絶対ないので。隕石が落ちて、地球がなくなったりしない限りは。

 

『デススト』から溢れる“小島監督らしさ”の正体

――今回『デススト』をプレイしていて、これは見たことがないゲームだなと思うのと同時に、やっぱり小島監督らしいなって感じるところもあって。

小島 オシッコとかするんでね(笑)。

――あとは『メタルギア』のときもそうだったんですけど、ゲーム中で死体が消えないというか、殺した痕跡がちゃんと残って、それが自分に返ってくるという仕組みになっていますよね。ここも監督らしいな、と感じたんですが、とはいえ今回『デススト』を作るにあたって、そうじゃないゲームにすることもできたわけですよね。

 

小島 ただ、普通のゲームを作るんだったら、別に僕が、こんな年寄りが頑張る必要はないんですよね。たとえばゲームオーバーになって、コンティニューしたら自分の行いがなかったことになってるって、やっぱりちょっと変じゃないですか。なので、『デススト』ではいわゆる“コンティニュー”の状態になっても、自分のやったことは“クレーター”として残ってるんですよ。でも、ゲームとしては、それはリスクが高いですよね。普通のゲームはそういうルールじゃないので。

誰かが決めた「ルール」を疑う

――そういうゲームにしようというのは、早い段階から決めていたんですか?

小島 最初のうちからですね。そこは手探りですけど。結局ゲームって、たかだか35年ぐらいの歴史なんですけど、そこにあるのは全部人間が作ったルールなんですよね。初期の頃は、本当にいろんなゲームがあったんです。もうとんでもないものもありましたよね。だけど、今ではそこにマーケティングが入ってきて、だいたい何十時間で、カットシーンが何時間で、とか決まってしまったんです。復帰ポイントはこのへんとか、バトルがこうでとか。あとはアイテムの数とかも。でも、それ誰が決めたの? という。これは映画にちょっと似てますよね。上映時間は2時間で、15分ごとに山があって、みたいな。今後、それが続くわけでもないのに、みんな、その亡霊を追っかけてるんで。

 

――そういうことを繰り返すことに意味はないと?

小島 いや、意味がないわけではないんです。それは別に、エンターテイメントとしてはありだと思います。でも、僕が作るときには、もうちょっと違うものを提示して、若者たちに「同じことしなくていいんですよ」ということを、理解してもらいたいな、と。ただ、それで売れるかどうかは保証できませんが(笑)。

今も毎日1本は映画を観る!

――ありがとうございます。では最後に、文春オンラインで小島監督と言えば映画評、ということで、2019年の映画ベスト5をお聞きしたくて。ちなみに監督は年に何本くらい映画を観られるんですか?

小島 新作だったら200本くらいかな。毎日1本は映画観てますね。

――では、その200本の中から、まずは第5位をお願いします!