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設備があろうがなかろうが、作る人は作る

――次の日からすぐにゲーム作りを始めたんですか?

小島 まずは企画ですね。機材は何もないんですけど。自分のパソコンとiPhoneにメモして。

――Twitterにも、まだ何もないオフィスに手作りのセットを組み立てて、カメラワークを確かめるメイキング映像があげられていましたね。笑ってしまうんですけど、どこかグッとくるところもあって。

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【Twitter】小島監督のツイート


小島 あれはめっちゃ楽しいですよね(笑)。ああいうのが面白いんですよ。設備があろうがなかろうが、作る人は作るんで。

「失敗したら社員が路頭に迷う」というプレッシャー

――機材がまったくないところからスタートした今回の制作は、たとえば『メタルギア』のときとは違う感覚だったんでしょうか?

小島 いや、同じですよ。まったく同じ。お金に関しても、『メタルギア』のときも会社でプレゼンして、お金を集めてきてたんで。それが中か外か、というだけですよね。ただ、一番大きく違ったのは、失敗したら社員が路頭に迷うということ。そういうプレッシャーは猛烈にありました。今までは失敗したら、自分だけ辞めたらいいと思ってたんで(笑)。

 

――コジマプロダクションには今、何人ぐらいの方が?

小島 開発が80人ぐらいで、サポートを入れると100人は超えますね。もうこれ以上は大きくしたくないんですけど。

ゲーム作りに不安は一切ない

――元々、独立したら100人くらいのチームというか、規模の会社を作ろうと考えていたんですか?

小島 そうですね。これくらいじゃないと、小回りが利かないので。ただ、100人でトリプルA(※超大作ゲーム)を作らなければならないので、それは大変ですよ。普通は200人から600人くらいで作るものなんで。ただ、今は100人を養っていかなきゃならないとはいえ、ゲームを作るという点に関しては、今までやってきたことと変わりはない。ゲーム作りに不安は一切ないんですよ。これは一番得意なことなんで。

――とはいえ、環境が変わったことで、何か違いが生まれた部分もあるのではないでしょうか?

 

小島 大きな会社にいたときも、毎回同じことはできなかったんですよね。時代なんか、どんどん、どんどん変わっていくものなので。毎回人も替えてましたし、チームも替えてましたし、プラットフォームも、テクノロジーも替えてきたんで。そこはもう、あんまり苦労はしないというか。人を募集して、給料を払わないといけないというのは大変ですけど。たとえば、それでレストランを経営しろと言われたら、ちょっと考えてしまうと思うんですよ(笑)。どういう料理人を雇ったらいいのかわからないので。でも、ゲーム作りの人は面接したらわかりますよね。