松田聖子が今月1日、1980年に「裸足の季節」で歌手デビューしてから45周年を迎えた。同日には、槇原敬之がプロデュースした45周年記念楽曲「Shapes Of Happiness」のミュージックビデオが公開されている。聖子にとっては、2021年10月リリースのアルバム『SEIKO MATSUDA 2021』収録の「私の愛」など以来の新曲ということになるだろうか。人それぞれ幸せの形は違うと歌った同曲は、多様性の時代にふさわしいと感じさせると同時に、63歳になった現在も伸びやかでキラキラした聖子の歌声に驚かされる。

松田聖子がデビュー45周年を記念して発表した新曲「Shapes Of Happiness」

 きょう4月22日は、いまから29年前の1996年に聖子自ら作詞・作曲してミリオンセラーとなったシングル「あなたに逢いたくて~Missing You~」の発売日だ(曲は小倉良との共作)。

当時34歳、不満の残った全米進出に再び挑む

 当時34歳だった彼女は、1990年に一度は挑戦しながら不満の残った全米進出に再び挑み、前年の1995年にはアメリカのA&Mレコードと契約していた。これにともない日本国内でも、デビュー以来15年間在籍したソニーレコード(旧CBS・ソニー)から、A&Mと同じグループのマーキュリー・ミュージックエンタテインメント(現ユニバーサルミュージックジャパン)へと移籍した。

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松田聖子〔2000年撮影〕 ©文藝春秋

 マーキュリーへの移籍後第1弾シングルとなる「あなたに逢いたくて」は、日米それぞれでリリースするアルバムを同時進行でレコーディングするなかで制作された。同曲が生まれる過程を彼女は次のように語っている。

「あなたに逢いたくて~Missing You~」を収録した松田聖子のアルバム『Vanity Fair』

《アメリカの曲と日本の曲を抱えてたから、忙しい最中で作ったんですけど、これに限らず、曲作りは、それぞれの国の感情を大事にしたいと思ったんです。国内盤には日本に合った曲、アメリカ盤にはアメリカに合った曲をって、私の中で分けたかったから。『あなたに――』は先に曲を作って、できあがったのを聴いてると、これは切ない歌詞がいいな、サビはキャッチーなほうがいいな、それも繰り返していくほうがいい、難しくなくわかりやすいほうがいいって。けっこうアイデアがわいたんですよ。それで、♪あなたに逢いたくて逢いたくて♪ってなったんです》(『JUNON』1996年7月号)