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ひょんな所で発見した「ラインバック最期の言葉」

 しかし、ひょんな所に「ラインバック最期の言葉」が記されているのを、先日通りがかりの古本屋の200円均一棚で発見した。1988年12月に実業之日本社から出た『あの助っ人外人たちはいま』という一冊である。ルポライターの栗原富雄さんが元巨人のスミスや元大洋のトレーシー、元西武のスティーブら30名の元助っ人外国人を訪ね歩いた労作なのだが、ここに亡くなる2年前のラインバックへのインタビューが載っているのだ。おそらく番組に登場したルポライターはこの栗原さんだろう。

実業之日本社から出た『あの助っ人外人たちはいま』

 阪神を退団してアメリカに帰国したラインバックは、なかなか職が定まらず不安定な状態が続いた。前夫人との離婚の原因もそのあたりが大きいのだろう。その後も不動産投資に失敗し、大きな経済的損失を負ってしまう。さらには実の父親がガンで入院し、仕事を手伝っていた日本関連企業も業績が上がらない。そしてその事業から撤退を決めた日、父親の訃報が届いたのだという。

“どうして俺だけがこんな目にあわなくちゃいけないんだ”と顔を曇らせるラインバック。そんな彼に栗原さんは励ましの言葉をかけるのである。

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 阪神時代は田淵幸一、H・ブリーデンとクリーンアップを打ち強力打線を形成したこと、オールスターで10万の票を集めファン投票1位に輝いたこと、そのハッスルプレーに多くの野球少年たちが勇気づけられたこと、そして阪神退団の際には球団に抗議の電話が殺到したこと……。それを聞いたラインバックは、こんなメッセージを日本のファンに贈った。

“やっぱり気になるよ、タイガースのこと。時々ニュースをくれる人がいるので、大抵のことなら知ってるよ。今年(1987年)が最下位だったってことも……。日本へ帰ったら伝えてくれ。こっちでも応援しているってね”

もうひとつあったラインバックに関する依頼

「ラインバックは死んだのか」の映像を観ることができない今、『あの助っ人外人たちはいま』に載ったこの言葉は愛すべき助っ人の人となりを伝える貴重なものである。アマゾンのマーケットプレイスで、ブックオフの新書棚で運良く見つけることができたら、皆さんも迷わず手に入れてほしい。

 ちなみにナイトスクープではもうひとつラインバックに関する依頼があった。2007年放送の「壁の中にラインバック!?」がそれだ。神戸で鉄板焼屋を営む阪神ファンの店主はいつも有名人に壁にサインをしてもらうが、その壁紙の下に今は亡きラインバックのサインが眠っている。店の改装を機に壁紙のサインとラインバックのサインの両方を新店舗に飾れるようにして欲しい、というもの。専門業者の尽力でサインは無事掘り起こされ、新店に飾られることとなった。

 今後も『探偵!ナイトスクープ』で僕らのハートを捉える野球回は生まれるだろうか。筆者は神奈川の地から数週遅れのtvkテレビで、TVerでチェックしたいと思う。

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