中途採用の罠
そうして送ったはいいものの、3日後にエージェントから「定員充足のため選考終了」との連絡が。
そうなんです。中途採用は新卒とは違い、よほど大規模のものや、大企業が定期的に行っているものでないかぎり、欲しい人材が見つかればその時点で選考を終了してしまうのです。完全に油断していました。
キヨシマの転職活動メモ
一、いい求人を見つけたら即応募。明日その求人があると思うな。
あ~、いい求人を逃した……。しかも誰のせいでもない。自分が鈍くさいせいで。
そう落ち込んでいたところに、DODAの担当者からまた連絡がきました。
なんと、「定員充足」で選考に進めなかった企業が、別の国の駐在で新規募集を始めたというのです。やった! 同じ失敗は繰り返さないぞという気概で、すぐに応募を依頼しました。
しかし、1週間後にエージェントから届いた選考結果は、「お見送り」。
理由は「業務に求める経験/スキル/適性等を総合的に判断し、同社の定める応募要件に合致しなかったため」です。ショックでした。あんなに色んなことを「不問」としていたのに……。
そして知らされた衝撃の不採用理由
後日、公園を散歩していると、くだんの担当者から電話がかかってきました。
「今回のお見送りの理由について、追加で説明ができればと思いご連絡しました」
そんな電話がかかってくるのは初めてです。驚きつつ、なにを今更説明することがあるのだろうと思っていると、こう告げられました。
「海外への長期赴任なので、男性がいいという意向が先方にありまして……」
「え?」
もう、絶句です、絶句。女だから落とされたのね。文字が残るメールには書けないわけだ……。担当者との電話を切って、しばらく立ち尽くしていると、ふつふつと怒りが湧いてきました。
学歴、経歴、語学力はすべて不問。なのに、性別は「男」限定。
治安の問題? それとも体力? 何が理由で男がいいのかは知りませんが、地方記者を5年やった女を舐めてもらっちゃあ困ります。
一体何人の男が、街に出たイノシシを追いかけて、警察が追うのをやめても追いかけ続けて、近隣住民に注意を呼びかけたことがあるでしょう?
殺人事件の被疑者がいる山の中をひとりで駆けずり回ったことは?
体調を崩していく男性を尻目に、私は5年、働いてきました。
女だから海外で働けないとでも?
性別は、この仕事ができるかどうかとは関係ないはずです。
は~、馬鹿らしい。21世紀だぞコラ!
久々に血管がブチ切れるんじゃないかってくらいキレました。
落ち着こう。30分くらい無心でポケモンGOをして、ようやく心を落ち着けることができました。サンキューナイアンティック。
うん、よくわかった。日本企業は男が大好きなんだ。わかった。女でももっと働きやすい国を見つけて働こう。
キヨシマの転職活動メモ
一、女性を求めていない企業はまだまだある。
※この連載は、新聞記者として5年働いたキヨシマによる、「脱力系」転職活動記です。書かれていることは全て現在進行形のノンフィクションです。